コロナがかつら市場も直撃、北朝鮮の国境封鎖で価格急騰の兆し

コロナがかつら市場も直撃、北朝鮮の国境封鎖で価格急騰の兆し

 新型コロナウイルスの余波で、インド-北朝鮮-中国-米国を結ぶ世界のかつら市場の供給網に支障が出ており、かつらの価格が急騰している。昨年、国境を封鎖した北朝鮮のかつら工場が稼働を停止している上、毛髪の主要輸出国であるインドでコロナの被害が深刻化し、円滑な供給ができないことが主な原因だ。

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 23日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、世界のかつら市場で供給量の70%を占める中国製のかつらは、インドやミャンマーなどが原材料の毛髪を中国に供給し、中国が北朝鮮の下請け加工工場に送るという形で製造されている。北朝鮮で製造されたかつらは中国で後半の包装作業が行われ、約40%が米国に輸出されている。

 しかし昨年1月、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために北朝鮮が国境を封鎖したことから、かつらの生産・供給網に問題が生じ始めた。中国側の資料によると、コロナの大流行が始まる直前の昨年1月、毛髪など1400万元(約2億3700万円)規模のかつらの材料が中国から北朝鮮に送られていた。1か月後にこの規模は45万2000元(約766万円)に減少し、SCMPによるとその後は両国間のかつら関連の交易は確認されていないという。

 北朝鮮の安価な労働力を利用できず、中国が自らかつらの加工に参入したところ、かつらの価格が急騰している。中国・山東省にあるかつら販売企業はSCMPに対し「中国の労働者の人件費は北朝鮮より30%高い上、質は落ちる」と話した。米ジョージア州アトランタの美容室の社長、ニック・スミス-セラノ氏は「ほぼ毎週、かつらの価格が上がっているが、品物は減っているため、買いだめが必要な状況だ」と話した。

 毛髪の主要輸出国であるインドとミャンマーでコロナの状況が深刻なことも影響している。1キログラム当たり220元(約3720円)だった毛髪の価格は最近になって4倍以上に高騰した。SCMPによると、毛髪の品薄が原因で、中国・雲南省では今年3月、インド、ミャンマー、パキスタンから11億元(約186億円)相当の毛髪を密輸しようとした犯罪集団のメンバー11人を含む59人が警察に逮捕されるという事件もあった。

ファン・ジユン記者
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