「中国の成長神話は忘れろ」現代自動車北京第1工場売却に込められたビジョン

 THAAD問題が発端ではあったが、製品戦略も成功が困難な構造だった。現代自の競争力は競合ブランドに比べたコストパフォーマンスの良さだった。しかし、2010年代半ば以降、中国の自動車メーカーが現代自よりも安い価格で量的攻勢をかけた。高級車市場は欧州勢が掌握している。間に挟まれた「サンドイッチ状態」となり、なかなか突破口を見いだすことができなかった。

 そうした状況を熟知している現代自は19年から中国事業の体質改善を進めている。中国の自動車市場の規模は年間2500万台で、国別では世界最大だ。中国市場は自動車メーカーであれば、絶対に放棄できない。昨年にはセダン主体の車種をスポーツタイプ多目的車(SUV)に切り替え、ディーラーの在庫を6万台以上削減。今年の反撃に向けた足掛かりとした。今年に入ると、高級車ブランド「ジェネシス」を中国に発売。現代自の燃料電池車「ネクソ」と電気自動車(EV)「アイオニック5」、起亜自「EV6」、ジェネシスG80のEVモデルなどエコカーも投入した。中国国内で急速に成長する分野を中心にラインアップをテコ入れした。

 現代自は中国事業の象徴に等しかった北京第1工場の売却を転換点にしたい構えだ。まず工場売却で現金を確保する一方、固定費用を削減し、効率性を高める。肥大化した中国事業を再編するためには過去の栄光を忘れ、再出発が必要と判断した。

 北京第1工場の売却先として有力なのは、中国のEVスタートアップ、理想汽車と伝えられる。理想は蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng)と共に中国のEVスタートアップ主要3社に数えられ、米店頭市場ナスダックに株式を上場している。15年に設立され、19年末に一種のプラグインハイブリッドSUV「理想ONE」を発売した。航続距離が700キロメートルに達し、3列座席に6-7人が乗れる。現在月5000台余りを販売しているが、高い伸びを示している。生産台数を現在の年10万台から25年には160万台まで増やす計画だ。

尹炯準(ユン・ヒョンジュン)記者

■韓国が2020年自動車生産量5位…1位は中国、日本は?

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