韓銀も金融脆弱性を警告…家計債務・資産バブルが過去13年で最悪に

韓銀も金融脆弱性を警告…家計債務・資産バブルが過去13年で最悪に

 韓国銀行は22日、過去最大にまで膨らんだ韓国の家計債務と不動産価格の高騰により、韓国の金融状況が2008年の世界的な金融危機以降で最も不安な状態にまで悪化したと指摘した。もし危機が起きれば、経済全体に衝撃が広がる危険性が高いと警告した格好だ。

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 韓銀は同日発表した「金融安定報告書」で、コロナが終息し、金利が上昇するなど経済状況が急変すれば、過度の負債で膨らんだ不動産・株式市場の「バブル」が崩壊し、経済が打撃を受けるとの見方を示した。韓国の家計債務は過去最高の1765兆ウォン(約172兆円)に膨らんでおり、ソウルのマンションの平均価格が11億ウォンを超えるほど不動産市場も過熱している。

 韓銀によると、今年1-3月の韓国の金融脆弱性指数(FVI)は58.9で、08年の世界的な金融危機当時(73.6)以降の13年間で最高となった。韓銀が今回初めて発表したFVIは、融資の増減率、資産価格の上昇率、金融機関の健全性などを総合し、金融の中長期的な状況を評価する指数だ。通貨危機当時の1997年11月を基準値(100)として算出する。同指数が上昇すれば、将来危機が訪れた場合、金融と経済が受ける衝撃が広がるリスクが高いことを示す。韓銀のパク・チョンソク副総裁補は「資産価格の上昇と負債の増加ペースを見ると、FVIが08年の金融危機の状況に近いレベルにまで上昇する可能性がある」と指摘した。

 韓国の家計債務はコロナ拡大前の19年末に比べ165兆ウォン増加し、四半期ごとに過去最高を更新している。住宅関連ローンに株式投資ブームによる借り入れが増えた結果だ。住宅価格も急上昇した。仮に今後住宅市場のバブルが崩壊し、価格が急落した場合、家計債務で最も高い割合を占める住宅ローン(747兆ウォン)にリスクが拡大しかねない。韓銀の分析によれば、昨年末現在で韓国の住宅価格対所得倍率(PIR)は前年比で13%上昇し、経済協力開発機構(OECD)加盟主要国で最も高かった。韓国を除く調査対象国の平均上昇率は4%だった。

金信栄(キム・シンヨン)記者
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  • 【写真】韓国銀行は22日、過去最大にまで膨らんだ韓国の家計債務と不動産価格の高騰により、韓国の金融状況が2008年の世界的な金融危機以降で最も不安な状態にまで悪化したと指摘した。写真はソウルの市中銀行の個人ローン窓口。4月29日撮影/聯合ニュース

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