新国立競技場の設計者・隈研吾「モダニズムには無駄がない」

新国立競技場の設計者・隈研吾「モダニズムには無駄がない」

「破壊こそ変化なのだとしたら、実はそれは弱々しい」

【新刊】隈研吾著、イ・ジョンファン訳『隈研吾、建築を語る』(木の思い社)

 「建築とはこんなに弱々しいものなのか? 日本が静かに消えてしまうかのようだった」

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 東京大学建築学科教授で、根津美術館や最近の東京オリンピックのメインスタジアム(新国立競技場)を設計した著者は、本書を2011年の東日本巨大地震の後に書き始めた。「自分が生まれた場所、自分を育ててくれた場所のことを考えると、不思議と気分が明るくなった」からだ。「人は自分の『場所』があることで、どんなことがあっても生きていける…『場所』は、単に静かに存在しているようであっても、実際は非常に繊細なのだから」

 「国は、人間そのものが場所の産物」だという告白で建築哲学を伝えるエッセーだ。ル・コルビジェ、安藤忠雄などコンクリート建築の巨匠に反旗を翻し、「弱いもの」への愛着をあらわにする著者は、「モダニズム美学の本質は無駄がないということで、最終的には安いということ」と整理した上で「脱工業化社会の安さ」を21世紀のオルタナティブ(代案)として提案する。「どれほど時間がたっても、コンクリートには情が湧かない」。破壊こそ変化なのだとしたら、実はそれは弱々しいものなのだ。312ページ、1万5800ウォン(約1550円)。原題は『僕の場所』

チョン・サンヒョク記者

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