「南シナ海をあえて中国の海と表示」 ベトナムがネットフリックスのドラマを排除

 中国が主張する九段線に対するベトナム政府と国民の反発はますます堅固で強いものになっている。今年4月、グローバル・ファッション・ブランドH&Mが、ホームページの地図に九段線を表記してほしいという中国当局の要請を受け入れると、ベトナムでは全国的な不買運動が起こった。日本経済新聞によると、当時フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディア(会員制交流サイト)には「H&Mはベトナムから出ていけ」「謝罪しようが、東南アジアの11の店舗を閉鎖せよ」というベトナムのネットユーザーの要求が殺到した。

 九段線は、1940年代に中国が南シナ海の周辺に沿ってU字型に描いた海上境界線だ。南シナ海は巨大なエネルギー資源を有しているだけでなく、世界の海上交易量の25%、原油輸送量の70%が通過する主要海上交通路でもあり、中国の「一帯一路」の核心となる地域だ。中国はここに人工島を作り、軍事施設を置いて南シナ海全体の90%を自国の領海だと主張している。これに対しベトナム・マレーシア・ブルネイ・フィリピンなど周辺諸国は大きく反発している。特にベトナムは、パラセル諸島(中国名:西沙諸島)とスプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)の領有権を巡って中国と衝突してきた。

 九段線に対するベトナムの対応は、どの東南アジア諸国よりも断固としたものだ。2014年5月に中国政府が南シナ海の石油開発事業を強行し、深海掘削設備を設置すると、ベトナム政府は海軍の艦艇や沿岸警備の巡視船を動員して中国の船にぶつけ、強い対応を行った。当時ベトナム国民は大規模な反中デモを起こし、中国人労働者2人が死亡、およそ100人がけがをした。中国政府は自国の労働者およそ3000人に緊急の退避令を下した。

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キム・ジウォン記者
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