香港ブックフェア出品中の10冊、「保安法違反」で告発される

 今年で31回目を迎える香港ブックフェアが、香港国家保安法を巡る問題に巻き込まれた。香港デモを取り上げた書籍に対し、親中陣営が「香港保安法に違反した」として告発に乗り出したからだ。

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 16日付の香港紙『明報』によると、ブックフェアに出た本のうち『雨傘一つ一つ』『私たちの価値』『香港10年抗争の記録』など10冊について、香港保安法に違反したという陳情が当局に受理された。いずれも2014年の香港行政長官直選制要求デモ、19年の大規模反中デモを扱った書籍だ。親中団体の「香港政研会」も、一部の書籍を警察に告発した。親中系新聞の『文匯報』は同日、1面の記事で「一部出版社がブックフェアで有害書籍を売り、香港独立を扇動している」として5冊の本を「毒劇物」扱いした。

 香港ブックフェアを主催する香港投資発展局は、告発受理の事実を出版社へ通知し、「書籍の適法性に注意してほしい」とする見解を伝えたという。一方、当該出版社は「以前から売っていた本」だとして出品を続けたいという立場だ-と『明報』は伝えた。

 中国大陸とは異なり、香港では出版の自由が幅広く許容されていた。だが昨年6月に中国当局が香港内部の反中行為を監視・処罰する内容の香港保安法を制定・施行したのに伴い、香港の公共図書館では香港独立を主張する趣旨の書籍の貸出が中断された。

 今年のブックフェアについて米国の「自由アジア放送(RFA)」は、習近平国家主席や中国共産党に関する書籍が大挙出品されたとして「香港ブックフェアは中国の宣伝場になった」と報じた。香港ブックフェアは1990年から毎年、香港政府主催で開かれ、今年は14日から20日までの予定で開かれている。

北京=パク・スチャン特派員
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