野良犬を制圧、30代女性を救った格闘技選手 /大邱

 今月10日午後9時40分ごろ、大邱市東区のあるマンション団地の公園で、若い女性の悲鳴が響いた。大人くらいの体格の野良犬が、散歩に来た女性Aさん(31)と飼い犬のポメラニアンを襲撃したのだ。飼い犬の首にかみついた野良犬が、Aさんまで攻撃しようとした瞬間。オートバイのヘルメットをかぶった1人の男性が野良犬の首をつかんだ。膝で腹部を押さえて野良犬を制圧した男性は、Aさんに「その子(飼い犬)から助けなさい。早く行って」と叫んだ。

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 この男性は、総合格闘技選手のチョン・ウォンヒさん(29)だった。16日の本紙の電話取材に対し、チョン選手は「痴漢が現れたんだろうと思ったが、大きなイヌが小さなイヌにかみついていた」と語った。当時チョン選手はヘルメットのほかに身を守る装備を持っていなかったが、故郷で猟犬を飼いながら成長した経験のおかげで、強い恐怖はなかったという。Aさんが飼い犬を連れて現場を離れた後、チョン選手は制圧していた野良犬を放してやった。Aさんの飼い犬は、動物病院で治療を受けたものの、命を落とした。

 この事件は、Aさんの夫チョさん(32)がネットコミュニティーに文章を書き込んだことで知られるようになった。チョさんは「助けてくださったおかげで、妻はけがをしなかった。是非お伺いして、感謝の気持ちを伝えたい」とつづった。ソーシャルメディアを通してシェアされた文章に、チョン選手は「(妻のAさんが)無事で幸いです」とコメントを付けた。

 チョさんはチョン選手に何度も謝礼をしようとしたが、チョン選手は「やるべきことをやっただけ」として全て断ったという。チョさんは「チョン選手には家族全員感謝している」と語った。通算戦績5勝5敗のプロファイターで、柔術のテクニックを得意とするチョン選手は「これからも最善を尽くすファイターとして、良い姿をお見せしたい」と語った。

イ・スンギュ記者
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