年1千億ウォン規模の韓国世論調査市場を狙う企業

 最近インターネットやソーシャルメディアなどでは「世論調査会社などはなぜこんなに頻繁に政治世論調査を行うのか」という疑問が提起されている。来年の韓国大統領選に関する世論調査の結果が1日に2件のペースで発表され、メディアで報じられているからだ。これに関連し、インサイトKのペ・ジョンチャン研究所長は「大統領選7カ月前であれば、過去にはある程度情勢が見えてきたが、今回は与野党ともに内部で競争が激化している。最近大統領選関連の世論調査が増えたのはそれほど来年の大統領選に対する国民の関心が高いためだ」と指摘した。

■アマゾン、3年連続ブランド価値1位…サムスンは42位…TOP10は?

 同時に収益の創出が最優先である世論調査会社が「商業的広報効果」を狙っている側面も大きい。ペ所長は「メディアに世論調査結果が報じられるたびに調査を実施した会社の認知度が高まる」と述べた。認知度の高まりはすぐにカネに直結する。メディアとの選挙世論調査で認知度が高まれば、「本当の稼ぎ口」である大企業のマーケティング調査や政府、政党、公共機関、地方自治体の世論調査の受注で有利になるからだ。このため、一部調査会社は広報効果が大きい政治世論調査を安価で受注するケースもあるという。さらに最近は小規模インターネットメディアと共に基準を満たさない世論調査結果もポータルサイトで主要ニュースとして流されており、調査会社が選挙世論調査にますます熱を上げている。

 官庁が実施する公共政策調査は年間の市場規模が1000億ウォン(約96億円)に達するとされる。10年前には300億ウォン未満だったが、最近急激に膨らんだ。韓国調査協会に加盟した世論調査会社40社余りの年間売上高は上位10位圏内を除けば100億ウォンに満たないケースが多い。公共部門の調査が世論調査会社の業績に影響を与えざるを得ず、それを受注するために選挙世論調査を踏み台にする構造になっている。

 西江大の金東律(キム・ドンリュル)教授は「世論調査は設問作成と標本抽出、面接過程など段階ごとに科学的な手順が必要なので、調査業界は徹底した職業意識を持たなければならない。しかし、ますます経営が苦しい会社が増え、調査に対する信頼度が低下している」と懸念した。

洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者兼データジャーナリズムチーム長
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい