中国スパイ注意報

英国、香港移住者に混じって入国しようとしたスパイ摘発
記者・学生・研究員など装った中国のスパイ、西側情報当局に次々と見つかる

 英紙ザ・タイムズが8月9日に興味深い報道をしました。中国のスパイが香港難民を装って英国の移民申請をしたという内容です。

 政府消息筋の話を引用して報道しましたが、慎重な英国人たちらしく、具体的な数字や身元、申請日時などは公開していませんでした。「我々が見張っているから、入ってこようなどとは思うな」と暗に警告しているのでしょう。

■難民の行列の中に中国の固定スパイ

 香港国家安全維持法の施行以降、多くの香港人が海外移住を選択していますが、英国もその移住先の一つです。今年5月までに英国移住申請件数は3万4000件に上ったそうです。

 香港が中国に返還された1997年7月1日以前に生まれた香港の住民は、英国政府から「海外英国国民(BNO=British National Overseas)パスポート」を発行されます。このBNOパスポートを持っていてビザを発給してもらえば、5年間英国で暮らすことができ、後に永住権と市民権も申請できるのです。

 英国移住を申請した中国のスパイたちは長い間香港に居住してきた固定スパイたちだといいます。これらは香港人の中に入り込み、英国に根を下ろそうとしているのです。

■中国スパイ探し作戦

 習近平国家主席の執権以降、米中の競争が激化し、西側諸国には中国スパイ警戒令が下されました。2018年11月に米司法省が中国スパイの侵入を防ぐための「チャイナ・イニシアチブ」を本格化させて以降、英国・ドイツ・オーストラリアなどもこれに加勢する雰囲気になっています。

 英国は昨年、記者を装った中国国家安全部要員3人を追放しました。ベルギー情報当局も昨年、記者としてブリュッセルに来ていた中国のスパイ2人に欧州連合(EU)の機密情報を渡した疑いで、英国情報機関MI6の要員だった英国の企業家フレーザー・キャメロン氏の調査を開始しました。

 ドイツ検察も昨年5月、政治シンクタンク「ハンス・ザイデル財団」の幹部を務めたことがある政治学者クラウス・ランゲ氏を中国のスパイ容疑で起訴しました。

■国力ランキング世界1位は米国、韓国8位…中国は?

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  • ▲米シンクタンク「ケイトー研究所」が1990年から2019年までに米国で逮捕されたスパイを国籍別に分析した表。中国人は184人で、外国人の中で最も多かった。写真=ケイトー研究所

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