【記者手帳】出火・加速不良の現代自動車EV、革新よりも重要なのは品質

【記者手帳】出火・加速不良の現代自動車EV、革新よりも重要なのは品質

 現代自動車が最近、燃料電池車「ネクソ」の欠陥を認めた。燃料電池車のエンジンに等しいスタックとその関連部品に異常が生じ、走行中に異音がして、加速ができない問題が発生したのだ。現代自は欠陥の事実を確認し、無償修理に着手した。費用は数千億ウォンに達する見通しだ。

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 現代自が作ったエコカーの欠陥は今回が初めてではない。今年6月には現代自初の純水素燃料電池車アイオニック5で冷却水がなくなる問題が見つかった。その前にはコナで18回火災が起きている。コナの火災はバッテリーから出火したことを確認しただけで、まだ正確な原因が分かっていない。現代自は品質強化に向け、電動化品質事業部を新設したが、まだ雑音が絶えない。

 エコカーで欠陥発見が相次ぐのは数十年間生産してきた内燃機関車ではなく、電気自動車を初めて生産したために起きた問題だとの指摘もある。エコカーへの転換は急務だ。世界各国が内燃機関車からの脱却を宣言し、世界のメーカーも電気自動車(EV)への転換目標時期を前倒ししている。ベンツの親会社であるダイムラーグループのオーラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)は先月22日、2030年までにベンツの全車種をEVに転換すると宣言し、同じ月にフォルクスワーゲンも30年までに全世界で販売する車両に占めるEVの割合を半分まで増やすと発表した。

 しかし、革新に埋没し、品質を軽視することがあってはならない。EV市場は参入から20年未満のテスラや中国メーカーなど新興企業が頭角を現しているが、これら企業の製品は品質が低いという認識が強い。テスラは初期不良の車に当たる確率が高く、アフターサービスも不十分だ。EV販売台数でテスラを抜いた中国メーカーは品質が低く、世界市場で認められていない。

 全てのメーカーがEVに死活を懸ける状況で結局は消費者の選択は品質に向かうはずだ、「完成度」と言えばまず日本車が思い浮かぶように、品質は裏切らない。現代自が後援している韓国アーチェリー代表が9連覇できた理由は全てのリスク要素を事前に把握した徹底した準備にあったという。同じ精神が本業にも求められる。

ミン・ソヨン記者

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