「難民受け入れるな」「国境を開け」…青瓦台請願に飛び火したアフガン事態

 米国政府が在韓米軍の基地にアフガニスタンからの退避者を収容する可能性があるとの報道が出たことに関連し、韓国のネットユーザーの間では「難民収容」が注目を集めている。難民収容に対して慎重な声が大勢を占める中、難民を積極的に受け入れるべきと主張して青瓦台(韓国大統領府)ホームページに請願を書き込む動きも見られる。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは22日(韓国時間)、米国政府が海外の米軍基地にアフガニスタンからの退避者を臨時収容する案を検討していると報じた。同紙は、米軍が駐屯している韓国も対象国だと言及したため、ネット上で関心が集まった。報道について、在韓米軍司令部は「関連の指示を受けたことはない」との立場だが、依然として懸念の声が収まらない。

 この日、青瓦台ホームページの国民請願掲示板には「難民を受け入れないで」と題する書き込みがあった。請願者は「現在、大韓民国は不景気とコロナの長期化によって不遇の隣人があふれ、大変な状況だ」として「自国民(の問題)も解決できないのに、難民を受け入れるのなら、カネは誰が出すのか、結局は国民の税金ではないか」と主張した。さらに「宗教問題も深刻だ」「難民を受け入れた瞬間、私たちはテロ(の脅威)にさらされる」と訴えた。この書き込みには1日で6000人以上が賛同した。

 米軍基地のある京畿道平沢地域の住民たちも、難民収容に神経をとがらせている。ネットユーザーたちは「臨時収容といっているが、難民を受け入れた瞬間に定着に帰結する」「治安が心配だ」「すでに(平沢市内の)彭城に多文化コミュニティーがあると聞いているが、また平沢なのか」などと書き込んだ。

 一方、正反対の主張も20日に青瓦台に請願掲示板に書き込まれた。「アフガン難民のために国境を開いてください」と題する書き込みで、請願者は「韓国はアフガニスタンへの派兵国」だとして「20年以上も続いてきた戦争は、アフガニスタン国民の生活を破綻させた。どんな目的で派兵したにせよ、現在のアフガニスタンの状況に韓国の責任があることは否定できない」と主張した。

 この請願者はさらに、韓国の部隊と機関に雇用されていたアフガニスタン現地の住民がタリバンの報復に遭う危険性を指摘した。請願者は「韓国は難民条約(難民の地位に関する1951年の条約)に加盟しており、国内総生産(GDP)など経済的条件をみても難民を受け入れる余力がある」として「難民を積極的に受け入れるべきだ」と主張した。この請願は23日午後3時現在で、656人の賛同を得ている。

 韓国は米国の要請で、2001年から20年にわたりアフガニスタンに非戦闘兵力を派兵してきた。2001年12月には輸送任務を担当する海星部隊と青馬部隊を派遣した。2002年2月には医療支援団の東医部隊と建設工兵支援団の茶山部隊を派遣した。

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チェ・ヘスン記者
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