90代の認知症女性を40時間守り続けた飼い犬「ペック」…CNNも感動

90代の認知症女性を40時間守り続けた飼い犬「ペック」…CNNも感動

 田んぼの畔で倒れた認知症の90代女性をそばで見守り、韓国初の「名誉119救助犬」に任命されたペット犬「ペック」のエピソードが、米国CNNで紹介された。

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 CNNは8日(現地時間)「主人の命を救った子犬、韓国初の名誉救助犬に任命」と題する記事で、ペックのエピソードを紹介し「勇気ある4歳のペックを通じて、犬がなぜ人間にとって最も親しい友人なのか、その理由が分かった」と書いた。

 これに先立ち忠清南道洪城消防署は6日(韓国時間)、ペックを全国第1号の「名誉119救助犬」に任命し、消防校(消防官の階級の一種)の階級章を授与した。韓国でペット犬が名誉救助犬に任命されたのはペックが初めてだ。

 忠清道は「ペックは、認知症を患う90代の女性が道に迷って田んぼの畔に倒れた後、1日以上もそばを離れなかった」「女性の命を救う上で決定的な役割を果たした功績を認め、名誉119救助犬に任命した」と説明した。

 先月25日未明、忠清南道洪城郡で90代の女性キムさんが行方不明になったとキムさんの娘から警察に通報があった。

 警察は周辺の監視カメラの映像を確認し、先月24日夜にキムさんがペックと共に村から出る様子を確認。キムさんの捜索には洪城消防署の救助隊員、義勇(ボランティア)消防隊、防犯隊が投入され、村の住民まで捜索に参加したが、26日午前になっても見つけることができなかった。

 キムさんは認知症を患っており、行方不明になっている間に豪雨にも見舞われたため、家族の心配は募るばかりだった。26日午後、警察は温度を可視化できるサーモグラフィーカメラ付きドローンを投入し、行方不明から推定40時間が過ぎた同日午後3時30分ごろ小さな生体信号を捉えた。稲の生い茂った田んぼの縁で、キムさんは倒れて水に浸かっていたが、キムさんのそばにいたペックの体温をドローンが感知したのだ。発見当時、ペックはキムさんの体にぴたりとくっついていたという。キムさんは低体温症で病院に搬送され、現在は回復したとのことだ。

 実はペックは捨て犬だった。3年前に大型犬にかまれて生死の境をさまよった末、キムさんの家族に助けられた。キムさんはペックを熱心に世話し、このときからキムさんとペックは片時も離れないほどの仲になった。

 名誉救助犬の任命式に出席した梁承晁(ヤン・スンジョ)忠清南道知事は「ペックが信じられない奇跡を起こし、皆を感動させてくれた」「主人を心から愛する行動それ以上であり、人間でも難しい究極の孝行だ」と話した。

キム・ソジョン記者
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