「ゲーム・チェンジャー」韓国SLBM、核弾頭を搭載できない限界も

文在寅政権がこの時期に戦略兵器を公開した訳は

 この日公開された長距離空対地ミサイル、超音速巡航ミサイル、高威力弾道ミサイルなども北朝鮮はもちろん中国やロシアなど、周辺強大国の脅威に対抗できる「毒針兵器」とされている。長距離空対地ミサイルは韓国初の国産戦闘機KF21から発射され、450-500キロ先の目標物をピンポイントで攻撃できる兵器だ。空軍が欧州から導入したミサイル「タウルス」と同程度の正確度(3メートル)を持つという。現在も開発が続いており、2028年に配備が完了する。

 超音速巡航ミサイルは艦艇や地上から敵の艦艇などを正確に攻撃できる兵器だ。音速の3倍に相当する超高速で飛ぶことから、迎撃が難しいのが強みだ。最大射程距離は300キロ以上に達し、中国の空母船団など西海上の全ての艦艇を射程圏に含めることができるという。昨年末に開発が終わった一部はすでに実戦配備されている。

 また「玄武4」と呼ばれる高威力弾道ミサイルは昨年初めて試験発射に成功し、その存在が知られるようになった。今年に入って開発が終わったことから、この日の文大統領への報告事項に含まれたという。有事に平壌に向け重さ4-5トン以上の弾頭を飛ばせることから、錦繍山太陽宮殿も1発で破壊できるという。

 さらにADDは今年7月に宇宙発射体用固体推進機関の燃焼試験にも成功した。小型の衛星を地球の低軌道に打ち上げられる宇宙発射体の推進機関に関係する技術試験で、民間に技術移転した場合は宇宙産業の発展を大きく後押ししそうだ。

 青瓦台(韓国大統領府)と韓国軍当局がこの日公開した新しい兵器には一部でまだ開発が終わっていないものもある。ある韓国政府筋は「早ければ秋夕(チュソク、中秋節、今年は9月21日)、長い目でみれば来年の大統領選挙を前に、現政権は新兵器の開発を怠っていないというメッセージを伝える政治的な意図がありそうだ」との見方を伝えた。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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  • ▲韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が15日、韓国軍の潜水艦「島山安昌浩(アン・チャンホ)=3000トン級=」に搭載され、水中から発射された。/韓国国防部提供。

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