車内でクラシック音楽を流せというカカオタクシー…運転手らは「共産国家か」と不満の声

カカオタクシー側「単なる勧告であり、強制ではない」

車内でクラシック音楽を流せというカカオタクシー…運転手らは「共産国家か」と不満の声

 韓国で配車アプリ「カカオT(タクシー)」を運営するカカオモビリティが、加盟タクシーの運転手に対し、車内で流す音楽をクラシックに限定するよう勧告したことをめぐり、タクシー運転手らの反発が高まっている。

■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、日本は?

 タクシー業界が23日に明らかにしたところによると、カカオモビリティは今年上半期、加盟タクシーを対象に、サービス品質の強化に関する勧告事項を公示した。勧告内容には▲車両内外を清潔に保つこと▲不必要な会話の自制▲正当でない乗車拒否の禁止▲不当料金の徴収禁止-などと共に、クラシック音楽を流すことも含まれていた。韓国国土交通部(省に相当)とカカオモビリティによると、今年6月時点で全国の加盟タクシー(配車プラットフォームなどに加盟するタクシー)の7割はカカオの所属だ。

 カカオモビリティの「クラシック音楽」の指針に対し、タクシー運転手たちは「カカオが一線を超えた」という反応を示している。カカオブルータクシー(高品質で乗車拒否をしないことを売りにしたカカオ加盟タクシー)を2年間運営しているというAさん(70)は「1日平均10-12時間ほど勤務しているが、乗客には音楽を流していいか聞くようにしている」とした上で「ラジオや歌謡曲が聴きたいという乗客はいるが、クラシック音楽が聴きたいという乗客はこれまで1人もいなかった」と話した。

 1日のうち8時間をタクシー車内で過ごすという運転手のBさんも「最初は時事討論番組を流さないようにと言われていたが、今度は音楽まで会社が決めようとしている」として「共産主義国家じゃあるまいし、タクシーの中で好きな番組を聴けないなんてひどすぎる」と話した。

 全国民主タクシー労働組合の関係者は「時代に逆行する仕打ちだ」と指摘した。この関係者は「タクシー業界で働く人のほとんどが納得できないという雰囲気だ」として「乗車拒否の禁止や、乗客への親切な対応などの指示なら理解できるが、『ラジオの番組の選択権』まで会社に渡せというのは無謀な要求だ」と話した。

 タクシーの運転手たちは不利益を被ることを恐れ、カカオモビリティに抗議もできないと話した。強制力のない勧告ではあるが、会社の要求に従わなければ配車の際に不利益を被る可能性があるというわけだ。Bさんは「勇気を出して抗議したとしても、自分の個人情報をカカオが握っているため、言いたいことを全部言うわけにもいかない」として「タクシーの配車などで不当なことをされれば営業面で大きな打撃を受ける」と話した。

 カカオモビリティ側は、問題の措置が勧告事項にすぎず強制性はないと強調した。カカオモビリティの関係者は「乗客により良いサービスを提供するための方針にすぎない」として「運転手がクラシック音楽をかけているかどうか、いちいち確認などしていない」と話した。

 この関係者は、タクシー運転手に不利益を与えるようなこともしていないと話した。関係者は「クラシック音楽に関して顧客から不満が出れば、該当のドライバーに改善勧告をしているが、実際に不利益につながったケースはない」と話した。さらに「運転手たちの意見を聞くために、近く協議体を立ち上げたい」と説明した。

イ・ウンヨン記者 , イ・ジョンス記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 車内でクラシック音楽を流せというカカオタクシー…運転手らは「共産国家か」と不満の声

right

あわせて読みたい