なぜそこで「始発」? 韓国語の品格が一線を越えた

禁句を売り物にする韓国社会

 語呂合わせによるNGワード・マーケティングが昨日今日の話ではない。1955年に発売された初の国産車の名前も「始発」だった。しかし、こうした言葉を公の場で使用することに抵抗感を抱くケースが徐々に増えているという見方もある。一時、脱権威という風潮の中で流行した「ビビるな、シバ」などの言い方は下火になりつつあるということだ。 2017年に生活用品企業「LG生活健康」が柴犬(シバイヌ)をキャラクターにした歯磨き粉を発売した際、「歯を磨いて寝なさい、シバ」というCMコピーを使って非難された。大手酒類会社「宝海醸造」は2018年の大みそかに「バイバイ! さらば、18年よ」という文をフェイスブックの公式アカウントに掲載したが、NGワードと発音が似ていることから非難を浴びた(18年は韓国語の発音でシッパルリョンだが、よく似た発音の言葉が女性に対する蔑称〈べっしょう〉になる)。大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「大衆メディアで飛び交う露骨なコミュニケーション方式のせいで、言葉に品位を求める人が出てきたようだ」と話す。

 言葉に対する感受性の変化も要因として挙げられる。フェミニズムやポリティカル・コレクトネス(PC=政治的妥当性)などに注目が集まる中、言葉の使い方に厳しい基準が当てはめられるケースが増えた。特にNGワードには女性に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)と関連がある言葉が多い。今月1日の国政監査では、文化体育観光委員会のキム・スンス議員=国民の力所属=が「青少年の言葉の暴力の問題が深刻だ」と述べ、次期大統領選挙への出馬を表明した李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事が兄嫁に対しNGワードを発している声を国政監査場で流すという、笑えない状況が展開された。NGワードが増えている理由は「政治家や高官など有名人の暴言が飛び交い、またインターネット上でそのまま国民の前にさらされているためだ」という主張だ。

■国家別に見た、韓国に対する国家イメージ評価は?

チョン・サンヒョク記者
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