キム氏はこの日のインタビューで「(私が)スパイを直接育成し、韓国へ派遣した」とし「(スパイが韓国で)工作任務を遂行したのは数件」と語った。また「(青瓦台で働いて)北へ復帰した工作員は(偽ドル事業を行う)朝鮮労働党314連絡所で勤務した」と、極めて具体的に証言した。BBCは「キム氏が開発した北朝鮮の対南戦略目標は『南朝鮮政治の(北朝鮮)隷属化』だった」と伝えた。
(2)哨戒艦「天安」攻撃は金正恩が直接指示
キム氏は、2010年の哨戒艦「天安」爆沈事件と延坪島砲撃挑発が金正恩の「特別指示」だとも主張した。キム氏は「天安と延坪島の作戦に(自分が直接)関与したことはないが…」としつつも「(両作戦とも)金正恩の特別指示によって工作され、履行された軍事成果」と語った。キム氏の主張が事実であれば、金正恩は権力を継承する2011年より前から軍事作戦を指揮していたことを意味する。
またキム氏は「1997年に韓国へ亡命したファン・ジャンヨプ元最高人民会議常任委員長の暗殺もまた金正恩が直接指示した」と語った。キム氏は「2009年5月に、韓国へ亡命した北朝鮮官僚を暗殺するためのテロ対策班を結成しろと命令が下った」とし「ファン・ジャンヨプ先生にテロを行うためのタスクフォース(特別作業班)が極秘裏に結成され、私が直接(暗殺作戦の)指揮、工作を遂行(した)」とも語った。しかし、ファン・ジャンヨプ氏暗殺は成功しなかった。キム氏は、金正恩について「自分が『戦士』だということを証明したがる若者」と評価した。