【独自】韓国海軍「福島第一原発の汚染水、2-3年で韓半島海域へ流入…対策を整備すべき」

 日本の福島第一原子力発電所からの海洋放流汚染水を巡り、韓国海軍が「2-3年以内に韓半島海域へ流入する」とみて、本格的な対策の整備に着手したことが12日までに判明した。

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 韓国海軍は、保守系最大野党「国民の力」所属の姜大植(カン・デシク)議員に提出した資料で「日本の福島から放流された汚染水は2-3年中に韓半島海域へ到達する可能性がある」とした。韓国海軍は、こうした状況に備えるため、昨年末に外部委託研究を完了した。今年5月からは関連タスクフォース(特別作業班)を立ち上げて定期的な会議も実施している。

 韓国海軍は、汚染水が韓半島海域に流入した場合、作戦に支障がある可能性を第一に懸念している。韓国海軍側は「現在使用している逆浸透方式の浄水装置(海水を真水に変える設備)では原発の汚染水をろ過できない」と指摘した。

 韓国海軍は「(汚染水の流入で)艦艇で浄水装置の使用を中止した場合、真水の使用量が制限され、訓練日数に影響が出かねない」とした。実際に浄水装置の使用を中止した場合、作戦を続けられる時限は5日から15日だと判明した。

 こうした状況に備えて、韓国海軍は軍需支援艦などを動かす方針だ。しかし汚染水が韓半島海域に流入した後、海上で問題が発生した場合における韓国海軍の作戦能力は顕著に下がるだろう-という懸念が韓国軍内外から出ている。

 韓国海軍はひとまず、年間許容放射線被ばく量(1ミリシーベルト)、海洋排出基準(1リットル当たりセシウム50ベクレル以下、三重水素〈トリチウム〉4万ベクレル以下)などの基準に基づき、艦艇ごとの勤務期間、艦艇内での1日当たりの真水使用量、浄水装置で作った水の放射線量測定などの基準を決める方針だ。

 また韓国海軍は、放射性物質が海流だけでなく大気(ジェット気流)によって拡散する可能性にも備え、放射線に対する陸上部隊の備えも強化が必要と判断した。韓国海軍は「対備計画に基づいて今後、被ばく量測定や放射線に備えた装備・物資などを確保する計画」とし「原子力安全委員会、国軍化生放司令部との協力システムを構築して対備計画を発展させたい」と説明した。

 姜大植議員は「放射能汚染物質拡散対備態勢を海軍だけでなく陸軍、空軍、海兵隊でも整えるべき時期になった」とし「韓国軍だけでなく韓国政府もまた、関連部処(省庁に相当)が引き続き合同対備態勢を維持すべき」と語った。

ウォン・ソンウ記者
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