北の潜水艦はSLBMを発射したのに…韓国与党「核実験ではなかったのは幸い」

「対話に応じれば制裁の緩和を検討する」
外交長官は北朝鮮への見返りにも言及
一方で国連安保理は緊急の会議を招集

 韓国外交部(省に相当、以下同じ)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官は20日「北朝鮮が対話に応じれば、(対北朝鮮)制裁の緩和も十分に検討できる」と発言した。鄭長官はこの日行われた国政監査で、保守系野党・国民の力の太永浩(テ・ヨンホ)議員による「北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に成功したと発表した今のこの時期になっても、相変わらず制裁緩和を検討すべきと考えるのか」との質問に上記のように答弁した。与党・共に民主党の宋永吉(ソン・ヨンギル)代表はあるラジオ番組でのインタビューで「(北朝鮮によるSLBM発射によって)逆に対話の必要性が高まった」「北朝鮮が長距離ミサイルの発射や追加の核実験をしなかったのは不幸中の幸いだ」などと述べた。

 前日に北朝鮮が発射したSLBMは射程距離590キロの韓国攻撃用だ。北朝鮮は韓国国民の生命と安全を堂々と人質にしているにもかかわらず、韓国の外交政策トップや政権与党の代表は北朝鮮に対して一言の警告も行わず、武力による脅迫を擁護し、見返り(制裁の緩和)にまで言及したのだ。これは米国や日本などの友好国が直ちに非難声明を出し、国連安全保障理事会が緊急の会議を招集するなど、北朝鮮に対する警告や非難の必要性を訴えている国際社会の認識とも完全に懸け離れている。

 とりわけ鄭長官は太議員の質問に「北朝鮮がこれ以上核やミサイル能力を発展させることができないよう、何らかの措置を取るべきだ」とも述べたが、これは制裁の緩和を意味するものだ。鄭長官は先月米国を訪問した際にも「米国は北朝鮮にもう少し具体的な誘因策を提示すべきだ」と主張した。ある外交官幹部OBは「罪人が同じ犯罪をまた犯せば、加重処罰を行うのが当たり前だ。ところが(鄭長官は)そのことを定めた法律をなくせば犯罪がなくなるという詭弁(きべん)を並べ立てている」と非難した。

■「2021年世界の軍事力ランキング」米国1位、韓国6位、日本は?

李竜洙(イ・ヨンス)記者 , キム・ミョンソン記者
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