やっとよちよち歩きを始めた韓国宇宙産業、固体燃料エンジン・ロケット再利用までは遠い道のり

ヌリ号発射
韓国の力で打ち上げたロケット…今後残る課題は

■大型衛星を打ち上げようと思ったら固体燃料ロケットを開発すべき

 ロケットに大型衛星を搭載しようと思ったら、推力を補強できる固体燃料エンジンを開発しなければならない。最近、韓米ミサイル指針の改正により固体燃料を宇宙発射体に使う道が開かれた。実際、国防科学研究所は今年7月、宇宙発射体用の固体燃料エンジンの燃焼試験に成功し、固体燃料ロケット開発の第一歩を踏み出した。

 固体燃料エンジンは液体燃料エンジンと違って、燃料と酸化剤を打ち上げ時間に合わせて注入する必要がなく、常に充てんした状態で保管できる。それだけ打ち上げ準備が簡単だ。こうした利点から、主に軍用ミサイルの推進エンジンとして使われており、これまで韓米ミサイル指針では開発を制限していた。構造も液体燃料エンジンより簡単で製造しやすく、開発費用が安い。

 固体燃料エンジンはロケットの最上段に搭載して発射体の軌道を変えたり、液体燃料ロケット1段目の横に取り付ける補助ロケットとして活用したりする。実際、欧州のアリアンや日本のH2ロケットも、固体燃料発射体を補助ロケットとして使っている。

 固体燃料エンジンの宇宙発射体も、民間が挑戦できる領域だ。韓国政府は2024年まで、民間企業の固体燃料発射体開発を支援する予定だ。科学技術情報通信部(省に相当)のクォン・ヒョンジュン巨大公共研究政策官は「固体燃料エンジンの宇宙発射体は構造が単純ですぐに作ることができ、企業が容易に参入できるので積極的に支援する」と語った。日本も、液体燃料ロケットと共に「イプシロン」という固体燃料ロケットを運用している。

■国力ランキング世界1位は米国、韓国8位…日本は?

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者 , ユ・ジハン記者
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