【独自】チョ・グク元法相が名誉毀損で告訴した記者、陪審員7人中6人が「無罪」意見

【独自】チョ・グク元法相が名誉毀損で告訴した記者、陪審員7人中6人が「無罪」意見

メディアの記者がチョ・グク元法務部長官から名誉毀損で告訴され、一審で無罪判決を受けた事件で、裁判の陪審員団7人のうち6人が「無罪」意見だったことが本紙の取材で31日までに分かった。「有罪」の意見は1人だった。一般市民で構成される陪審員団の大多数がチョ元長官の主張とは異なる意見を示した格好だ。

 情報通信網法上の名誉毀損の罪で起訴された記者A被告に対する一審の判決公判は10月19日、ソウル北部地裁で開かれ、無罪判決が出た。裁判はA被告の要請で、国民参与裁判(裁判員裁判)で行われた。

 国民参与裁判は陪審員が裁判所に有罪か無罪かと意見を示す刑事裁判だ。陪審員は満場一致または多数決で評決を行うが、裁判所は必ずしも陪審員団の結論に従わなければならないわけではない。ただ、陪審員団の全員または大多数が有罪または無罪という意見を示した場合、裁判所の判決に事実上影響を与える。

 チョ元長官は国民参与裁判導入前の2007年に参与裁判導入を主張し、国会議員に公開書簡を送り、「国民参与裁判は民主主義の基本中の基本だ。(参与裁判が導入されれば)現在のような『元官僚礼遇』が生じる余地がなくなり、判決に対する承服度が高まる」と主張していた。

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 A被告は昨年1月、「チョ元長官が使用していたと推定されるIDでインターネット掲示板にヌード写真がアップロードされた」という趣旨の記事を書き、チョ元長官の名誉を毀損したとして起訴された。問題の写真がアップロードされた時期はチョ元長官が青瓦台の民情首席秘書官として勤務中だった。

 チョ元長官は昨年8月、問題の記事は虚偽だとして、A被告を警察に告訴した。警察は起訴相当として事件を検察に送致。検察はA被告を在宅起訴した。チョ元長官は法廷に証人として自ら出廷し、検事が「被告人の処分を望むか」と尋ねたのに対し、「望む」と答えていた。検察はA被告に懲役10月を求刑、A被告の弁護は金素延(キム・ソヨン)弁護士が担当した。

 一審はA被告に無罪を言い渡し、「この事件の記事は世間に広がっている疑惑を指摘したものであり、それ自体を虚偽事実とは言いにくい」と判断した。ソウル北部地裁はまた、「たとえ虚偽事実を暗示したとしても、記事の内容が純粋な私的領域に属するとは断定し難い」とも指摘した。報道内容は公共の利益と関連しており、名誉毀損が成立しないという趣旨だった。

 ソウル北部地裁は「結局検事が提出した証拠だけではA氏が中傷目的でチョ元長官に対する虚偽事実を摘示したとは言いにくい」と結論づけた。

クォン・スンワン記者
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