韓国、2年連続で赤字国債100兆ウォン超発行…政府債務は来年1000兆ウォン突破

 潜在成長率の低下と共に韓国経済のアキレス腱とされるのが急増する政府債務だ。稼ぎは減る一方、福祉拡大など支出ばかりが膨らみ、借金漬けでやっていく国に転落しかねないという懸念だ。

■韓国は2020年財政赤字4位…最も少ない国は?

 2017年に20兆ウォン(約1兆9200億円)だった赤字国債の発行額は19年には34兆3000億ウォンとなり、10兆ウォン以上増えた。昨年は102兆8000億ウォンとなり、100兆ウォン台にまで急増した。今年も100兆ウォン台を記録する見通しだ。政府は今年末時点での赤字国債の残高を538兆9000億ウォンとみている。17年末(289兆6000億ウォン)に比べ1.9倍の水準だ。

 大統領選後も拡張的財政基調が続けば、現在よりも急速に政府債務が増える懸念もある。代表的な財政健全性指標は政府債務の対国内総生産(GDP)比だが、韓国の場合、昨年は47.9%で国際通貨基金(IMF)が先進国に分類した35カ国で24番目だった。IMFは韓国の政府債務の対GDP比が26年には35カ国中16位の66.7%となり、6年間で18.8ポイント上昇すると予想した。6年間での増加幅は35カ国で最大となる。

 来年の韓国の政府債務は1068兆3000億ウォンとなり、1000兆ウォンを初めて突破する。ある経済学の教授は「福祉水準を高める基本は増税だが、政府にも政界にも増税論議はない。結局赤字国債ばかりが雪だるま式に増え、全国民が借金の山に直面しかねない」と懸念した。

 経済協力開発機構(OECD)は最近発表した「2060年までの財政見通し」で、「(コロナ拡大を阻止し、)経済回復が定着すれば、さらに高い水準の政府債務と成長率鈍化を考慮し、長期的な財政健全性を再評価すべきだ」と指摘した。韓国をはじめ潜在成長率が低下すると予想される国々の健全性管理強化を求めた格好だ。

チョン・ソクウ記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい