接種率90%の韓国、なぜ新型コロナ重症者は連日最多更新なのか

重症者475人…「3大悪材料重なったせい」

 12日午前0時時点で全国の病院の重症者用病室に入院している新型コロナウイルス感染者は475人で、三日連続で最多数を更新した。「段階的な日常生活回復」(ウィズコロナ)の局面で最も重要な防疫指標は、病床と医療従事者を投入しなければならない重症者の数だが、この指標に連日赤ランプがともっているのだ。

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■「3大悪材料重なり重症者が急増」

 現在、韓国の新型コロナワクチン接種完了率は全国民の77.6%、18歳以上の成人基準では90%に達する。ワクチン接種率がこれほど高いのにもかかわらず、重症者はワクチン接種前である今年1月の最多数(411人)よりも60人以上増えている状況だ。専門家らは「最近の重症者急増は病原体(ウイルス)と宿主(患者)、天気や人の流れといった環境的要素の『3つの悪材料』が同時に重なったためだ」と分析している。今年2月からワクチン接種が引き続き行われているためワクチン接種率は高くなったが、以前と比べものにならないほど私たちの日常生活のあちこちにウイルスがあり、感染者と重症者が同時に増えているということだ。

 最大の悪材料は感染者のうちハイリスク群である高齢層の割合が非常に高いという点だ。 全感染者に対して60歳以上の高齢層感染者が占める数と割合は10月第3週2046人(21.6%)→10月第4週2963人(24.4%)→11月第1週4434人(29.5%)と増加している。一日平均重症者数は、10月第4週は333人だったが、「ウィズコロナ」措置が始まった先週は365人と9.6%増加した。さらに今週は一日平均441人と20.8%増えている。

 政府中央災難(災害)安全対策本部の李基日(イ・ギイル)第1統制官は同日、「60歳以上の高齢層が重症者の79.2%を占め、病床など韓国の医療対応体系の負担となっている」と語った。嘉泉大学のチョン・ジェフン教授は「高齢層は今年春からワクチン接種を受け始め、現在は予防効果がかなり下がっている状態だ」と説明する。最近の人口10万人当たりのブレイクスルー感染者数は60代が119.9人、70代が123.9人、80代以上が143.9人で、40代(62.6人)・50代(46人)など中高年層よりはるかに多いことが分かった。先月17日から30日までに発生した重症者のワクチン接種履歴を当局が分析した結果、完全接種者に占める70代の割合は55.7%、80代以上の割合は51.4%で、60代(31.7%)よりも高かった。免疫力が著しく低い療養病院・療養施設などで集団感染が増えている点も問題だ。今月に入って60歳以上の高齢層集団感染者1001人のうち、617人は療養病院・療養施設で感染していた。

 感染力が従来のウイルスより2.7倍強いデルタ変異株は、国内における最近の流行を完全に主導している。当局が先週、全感染者の16.7%に当たる2437人を無作為に選んで変異株の分析を行った結果、全員がデルタ変異株に感染していたことが確認された。デルタ変異株が本格的に流行する前の今年5月末の国内重症者数は一日平均150人前後だった。高麗大学のキム・ウジュ教授は「デルタ変異株のために今はどこでも新型コロナが広がっている。それだけに感染者も重症者も増加する一方だ」と語った。

 環境的要因も重症者急増の要因の1つだ。各種の集まりが増えるにつれ、最近の国内の人の流れ(移動量)は昨年初めの新型コロナ流行直前より14%高い水準だ。キム・ウジュ教授は「肌寒い季節になって室内での活動が増えているのに、換気はきちんと行われていない」「新型コロナウイルスが日常の環境でより長く生きられる環境になっている」と分析した。

■当局、追加病床確保へ

 現在、全国の重症者用病床1125床のうち、661床が使用されており、稼働率は約59%となっている。しかし、首都圏の場合は稼働率が73%に達するなど、病床不足に対する懸念が高まっている状況だ。防疫当局は同日、首都圏内にある病床が700以上の総合病院7カ所に行政命令を下し、準重症病床52床を追加確保する方針だ。一方、新型コロナワクチン接種と副反応の間の因果関係を専門的に検討する民間機構「新型コロナワクチン安全性委員会」が同日、発足した。同委員会は新たな因果性基準を設けることにしており、これまで因果関係が認められなかった事例も再審議を経て修正される可能性がある。

イ・ジュンウ記者、チェ・ウォングク記者、キム・テジュ記者

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  • ▲12日午前、新型コロナ拠点専門病院の博愛病院(京畿道平沢市)で、対応に当たる医療従事者たち。写真=2021.11.12. NEWSIS

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