セクハラ被害訴えた韓国空軍女性中士の死亡事件、その10日前にも女性下士が死亡していた

「ストレスで極端な選択」で終結…5カ月を経てセクハラ上官を起訴

セクハラ被害訴えた韓国空軍女性中士の死亡事件、その10日前にも女性下士が死亡していた

 上官によるセクハラと2次加害に苦しんだ末、極端な選択をした韓国空軍の故イ・イェラム中士(軍曹に相当)が亡くなる10日前、韓国空軍の別の女性下士官も同様の被害に遭い、極端な選択をしていたことが後になって分かった。韓国空軍がセクハラの事実を隠し、「ストレス性の自殺」にすり替えた疑惑も浮上した。イ中士の事件で国民的な怒りが湧き起こり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「激怒」し、国防部(省に相当)の徐旭(ソ・ウク)長官が国民向けの謝罪を行っていた時点でも、韓国空軍の指揮部は類似の事件を隠蔽(いんぺい)・縮小したという指摘が出ている。

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 市民団体「軍人権センター」は15日に記者会見を開き、今年5月11日に韓国空軍第8戦闘飛行団所属の女性軍人、A下士(伍長に相当)が基地の外の宿舎で亡くなっているのが発見されたと公表した。センターは、空軍捜査当局が今年6月10日にAさんの死を「ストレス性の極端な選択」だとして捜査を終えていたことも明らかにした。Aさんより28歳年上の上級者、イ中尉によるハラスメントの疑いが捜査の過程で既に明らかになっていたにもかかわらず、軍当局が隠蔽したという。

 空軍捜査当局は、イ中尉がA下士の宿舎やその近辺を7回も訪れ、業務と関係ないショートメールや電話連絡を行った事実を確認したといわれている。またイ中尉は、今年3月から4月にかけて、部隊の状況室でA下士の頬を引っ張るなど2度のハラスメントを行ったことを自白した。イ中尉は5月9日、自分の車で20分間A下士と会う場面が収められたドライブレコーダーの記録を削除し、A下士が亡くなった当日は出勤時間の30分前から23回も電話をかけ、主任元士(上級曹長に相当)と共にA下士の宿舎を訪れて防犯窓を破って中に入るということも行った。

 空軍検察は、Aさんが亡くなって5カ月が経過した今年10月14日にようやくイ中尉をセクハラで起訴した。これについて軍検察は「遺族が捜査を要請した『業務上の威力による姦淫(かんいん)』容疑を調べたところ、ハラスメントの余地があることから立件した」と発表した-と同センターは伝えた。韓国空軍は「死亡事件の発生後、セクハラなど自殺の原因についてあらゆる可能性を念頭に置いて捜査した」としつつも、起訴の時期が遅くなったことなど追加の疑問については「裁判に及ぼす影響を懸念し、終結していない事案についての具体的な説明は制限される」とコメントした。

ウォン・ソンウ記者

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