ニーアル・ファーガソン氏「中国が台湾に侵攻したら韓国はどうするのだろうか」(上)

『ドゥーム:災厄の政治学』を出版した歴史学者、ニーアル・ファーガソン氏インタビュー

 「第2次冷戦中の米中が台湾を巡って戦争を繰り広げることが、最も差し迫った(the soonest)災厄だと見込んでいる。気候変動は深刻な問題だが、相対的に時間が残っている」

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 『大英帝国の歴史』『憎悪の世紀-なぜ20世紀は世界的殺戮'(さつりく)の場となったのか』『文明-西洋が覇権をとれた6つの真因』などの著作で21世紀に最も脚光を浴びている歴史学者、ニーアル・ファーガソン氏(スタンフォード大学フーバー研究所シニアフェロー)。彼は最近、新刊『ドゥーム:災厄の政治学』(Doom:The Politics of Catastrophe)の韓国版発行を前にズームで取材に応じ、このような見方を示した。ファーガソン氏は著書で、ポンペイの火山噴火、中世のペスト、第2次大戦、コロナ流行など人類を強打した災厄へ歴史的に光を当て、災厄のメカニズムを分析した。彼はコロナ・パンデミックが米中の「第2次冷戦」をもたらし、その結果、台湾が火薬庫として浮上しつつあると指摘した。以下はファーガソン氏との一問一答。

-気候変動より米中戦争の方が「差し迫った危機」だと言っていた。

「昨年、出版社へ原稿を送った後に、米中関係は悪化し続けた。コロナ・パンデミックが『第2次冷戦』という予想外の結果をもたらしたという予想は当たった。台湾を巡る戦争が起こる可能性が何%だと語るのは難しい。しかし今後数年間は一触即発の状況とみるべきだ。20世紀における人類最大の災厄は戦争だった。『大きな戦争』がどのような結果をもたらすか、多くの人が忘れてしまっている。21世紀においてはサイバー戦を通した被害も深刻だろう。最も破壊的、かつ差し迫った災厄は戦争だろう」。ファーガソン氏は著書に「(米中戦争は)コロナの最もひどいシナリオとも比較にならないほどすさまじい、衝撃的な災厄になるだろう」と記した。

-「第2次冷戦」は過去の冷戦と何が違うのか。

「過去の冷戦は6・25戦争の後、ベルリンやキューバなど『大西洋』を中心としていたが、第2次冷戦は太平洋が核心舞台だ。冷戦は平和的に終わったが、第2次冷戦もそうだという保証はない。経済的に相互依存が深まったからといって、それが戦争を防ぎ得ると期待するのは難しい」

-韓国にとっては深刻な脅威になりかねない。

「中国が台湾を武力で併合しようとしたら、米日は共に対応するだろう。ロシアは無関心なはずで、中国の同盟国は北朝鮮しかないだろう。韓国が『戦略的あいまいさ』を選ぶ理由は理解している。それでも韓国に尋ねたい。台湾が侵攻されたら、韓国はどうするのだろうか」

-米中の経済的共生関係を意味する「チャイメリカ」という表現はあなたが作った。これからも共生できるのではないだろうか。

「2008年の金融危機(リーマン・ショック)の後、『チャイメリカ(Chimerca)』は消えた。米中は協力的競争関係だという意味で“協争”(coopetition)という言葉を使いもするが、問題を複雑にする誤った表現だ。量子コンピューター、人工知能(AI)といった分野で米国が中国と協力関係を構築できると信じる人は夢想家だ。残るのは競争だけ。既に冷戦は始まった」

-最近、韓国は核武装すべきだという指摘が米国からも出ているが。

「私は反対だ。核兵器を持つ国が少ないほど、核戦争の可能性も減る。韓国が核武装に乗り出せば日本も核武装するだろう。核武装より、韓国が米国と堅固な(solid)関係を維持する方がはるかに重要だと思う」

-初期段階からコロナがパンデミックに発展するだろうと予想していた、と。

「昨年1月、世界経済フォーラムでそう話した。大多数の人は私に対し、変人(eccentric)を見るかのようにしていた。パンデミックなんて何を言っているのか、という反応だった。最終的には私の予想通りになった」

-昨年初めにコロナの疑いがある症状も感じた、と書いていた。

「あるとき、呼吸器の症状が現れた。米国で医療機関を2度訪れたが、診断キットがなくて確定診断は出なかった。体調は良くなく、講演の日程は決まっていて、スコッチを飲みながらがんばった」。そう語るファーガソン氏は、スコットランドのグラスゴー生まれだ。

ヤン・ジホ記者

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