「在日米軍への思いやり予算、来年度は過去最大の伸び幅に」

日本の各紙が大幅な増額について報じる
日本政府「同盟にプラスになるのであれば」と受け入れの方針
軍事力を強化する中国へのけん制が大きな目的
日本人従業員の給与など制限も見直しへ
空港の整備や訓練費に拡大

 日本政府が来年度以降の在日米軍駐留経費分担金について、過去最大レベルへの引き上げを受け入れる方向で調整を進めている。 日本の複数のメディアが報じた。急速に軍事力を拡大する中国をけん制するため、米日同盟強化という次元で検討が行われているという。

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 日本政府はこれまで「思いやり予算」と呼ばれてきた在日米軍駐留経費を今年の2017億円から2000億円台後半に増額する方向で調整に入った。毎日新聞が報じた。同紙は「21年度予算には2017億円を計上しており、22年度予算案は前年に比べて500億円を上回る過去最大の伸び幅」と伝えた。これまでの前年度比最大の伸び幅はバブル経済の影響が残っていた1993年の前年比304億円だったが、今回はこれをはるかに上回る可能性が高いという。

 日本政府とその周辺は今回大幅な増額が検討されている背景について「中国の軍事力増強」と「米国からの要請」とみている。毎日新聞は「日本政府はこれまで厳しい財政状況などを理由に経費の大幅な伸びには慎重な姿勢を示してきたが、軍事力を強化する中国の影響など周辺の安全保障環境を理由に今回の決定を下すとみられる」と説明した。朝日新聞も駐留経費を巡る交渉について「政府関係者は『米日同盟にプラスになるなら多少負担が増えてもやむを得ない』という考え」と先日からすでに報じている。

 一連のさまざまな事情から来年度の在日米軍駐留経費の総額は過去最大になるのは確実視されている。在日米軍駐留経費は当初全額米国の負担だったが、米国の相次ぐ要請を受け1978年に初めて日本が一部を負担するようになった。在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部を支援するという形だった。当時防衛庁長官だった故・金丸信元副総理が「(米国の要請に)配慮するという次元で対応すべきだ」と発言したため、野党などが「思いやり予算」と呼び始めた。この思いやり予算は1999年に2756億円の最高額を記録したが、冷戦の終了や日本経済の不振が続いた影響などで2014年には1846億円にまで減少した。その後は安倍晋三元首相在任中から駐留経費分担金は毎年増額されてきたが、その伸び幅は20-50億円ほどだった。

 日本政府は思いやり予算を大幅に増額するに当たり支出用途の新設を求める方針だ。これまでは米軍基地で働く日本人従業員の給与、在日米軍の光熱水費など用途が限定されてきた。しかし来年度以降は自衛隊と米軍が共同で使用する飛行場などの施設整備や米日共同訓練などにも使用できるよう求めるという。朝日新聞は「分担金予算の負担増が米日同盟の強化につながるという事実を示せば、国民の理解が得られやすいと判断した」との見方を示した。

 米日両政府は上記の内容を含む防衛費特別協定を12月の早い時期に大筋合意した上で、年内に編成する2022年度の防衛関連予算に反映させたい考えだ。今回の特別協定は2022年度から26年度までの5年間となる。これまで5年単位で更新されてきた防衛費特別協定は今年3月にいったん終了する予定だった。そのため米日両国政府は昨年10月から特別協定の再交渉を開始したが、トランプ前大統領が日本に従来の4倍に相当する年間80億ドル(約9200億円)を要求したため交渉は進展しなかった。その後バイデン政権が発足すると、両国は特別協定の期限を1年延長し、日本の負担額を従来よりも1.2%多い2017億円とすることで決着していた。

 今後日本の在日米軍駐留経費分担金と防衛予算が引き続き増えるのは間違いないとみられる。軍事力増強に力を入れる中国をけん制するには米国との関係強化が避けられず、米国も日本の防衛費負担増を引き続き要求している。今年4月にバイデン大統領と当時の菅義偉首相による米日首脳会談後の共同声明に「日本の防衛力強化」という項目が含まれたこともその代表的な事例だ。

 米国の新たな駐日大使として承認されたラーム・エマニュエル氏は米議会公聴会で「日本が防衛費を(現在慣例となっている)GDP(国内総生産)の1%から2%に増やそうとすることは、日本自らがより大きな役割を果たす必要のあることを認識しているからだ」「米日の安全保障面での協力において非常に重要だ」と証言した。日本の防衛省も「中国けん制」を理由に今年の補正予算案に7700億円を計上し、うち30%を哨戒機や輸送機などの購入に充てる方針を示した。日本経済新聞は「補正予算を通じて新たな装備を購入するのは非常に異例で、この補正予算を合わせると今年度の日本の防衛費はGDPの1%を上回る」と報じた。

東京=チェ・ウンギョン特派員

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