韓国政府、意のままにメディアへの広告出稿可能に

韓国政府、意のままにメディアへの広告出稿可能に

 2022年からは新聞の閲読率に関係なく、政府の任意的な判断で広告出稿が可能になる見込みだ。また、メディアが政府広告を受注するためには、新聞法に自主条項として明示されている編集委員会を設置すれば有利に働く。

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 文化体育観光部は1日、印刷メディアの発行部数、有料部数を検証してきたABC協会のデータ活用を取りやめ、閲読率と信頼性などの指標を通じ、政府広告を発注する方針を表明した。しかし、指標の正確性、公正さだけでなく、指標を活用するか否かを官庁の判断に一任しており、広告でメディアを手懐けるのではないかとする論議を呼んでいる。

 今回発表された政府の新たな広告出稿基準は、閲読率(印刷メディア)、視聴率(放送)、利用率(インターネットメディア)など「効果性」指標と言論仲裁委員会による職権調停・是正勧告の件数、編集・読者委員会を設置・運営しているかどうかなど「信頼性」指標の合算と言える。しかし、どの指標をどの程度反映するかは個別の広告主である政府官庁や機関・団体、政府系企業に任されている。場合によっては、閲読率を除く社会的責任の項目だけでメディアの順位を決め、広告を出稿することも可能にした。

 また、新聞社に編集委員会を設置しているかどうか、言論仲裁職権調停(訂正報道)の件数、是正勧告の件数など報道内容に関する項目が多数含まれており、メディアの自主性を侵害しかねないとの懸念が聞かれる。政府が広告を「武器」として、メディアの編集と経営に介入しかねないという批判が出る理由だ。

 新聞社の発行部数を調査、発表しているABC協会の部数統計を信頼せず、閲読率という新たな広告基準を設けたが、閲読率のデータを活用するかどうかは各機関の判断に任せることになり、予算の無駄遣いだという指摘も出ている。編集委員会の設置など編集権侵害の論議を呼びかねない条項を広告出稿基準に含め、事実上強制する効果を狙った点も問題として指摘されている。

シン・ドンフン記者

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