金正恩委員長の核暴走10年…北朝鮮の経済成長率は半分の半分、貿易額は20分の1に(下)

 貿易額はさらに大きく減少した。2017年に55.5億ドル(約6310億円)だった貿易額は翌年には半分の28.4億ドル(約3230億円)となった。19年に32.5億ドル(約3700億円)へと一時的に増加したが、それが昨年は8.6億ドル(約980億円)へと4分の1ほどにまで崩壊した。北朝鮮における貿易のほとんどを占める中国向けは今年は10月末の時点で2.27億ドル(約258億円)だが、これも昨年の6.45億ドル(約734億円)のほぼ3分の1で、年末の時点でも3億ドル(約340億円)ほどにしかならない見通しだ。

【図】金正恩執権10年

 国家安保戦略研究院長を務めた診断と代案研究院のユ・ソンオク院長は「金正恩氏の執権10年を一言で評価すれば、核・ミサイル暴走による国際的な孤立と経済破綻を自ら招き、その結果として住民の生活は塗炭の苦しみに落ち込んだ」と指摘した。

 悲惨な経済の成績表は「核・経済並進路線」の破綻も同時に意味する。金正恩氏は体制の全てのリソースと力を核・ミサイル開発に投入し、危機を最高潮に引き上げた上で2018年初めに突然平和攻勢へと転換した。核を握った状態で経済的な保障を受け取る戦術、つまり並進路線だった。しかしこのばら色の構想は「金正恩氏と愛の関係に落ちた」と語ったトランプ前大統領でさえ首を横に振った。「平昌の春」は2019年2月の「ハノイ・ノーディール(米朝首脳会談決裂)」によってわずか1年で幕を下ろした。

 今年初めにワシントンでは北朝鮮の狙いをよく知るバイデン政権が発足し、北朝鮮との対話に全てを投入してきた文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期もわずか5カ月しか残っていない。バイデン政権の韓半島戦略が変わらない限り、韓国の大統領選挙の結果に関係なく「平昌アゲイン」を期待するのは難しそうだ。金正恩氏が21世紀版の鎖国政策とされる「自力更生」に今後もこだわるのか、あるいはたとえ手遅れであっても何らかの変化を選ぶかは今月末に召集される労働党中央委員会全員会議でその輪郭が明らかになりそうだ。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

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