軽空母導入論争に文大統領「対北抑止力だけでなく自主国防のために必要」

青瓦台(韓国大統領府)「誇示用」との批判に反論

 最近激しい議論になっている軽航空母艦(CVX)事業について文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「北朝鮮に対する抑止力のためだけに必要というわけではなく、強大国に挟まれた韓国の自主のために必要だ」との考えを示した。青瓦台(韓国大統領府)が26日に明らかにした。

【写真】タイの空母と韓国の大型輸送艦「独島」

 文大統領は先月17日に開催された青瓦台スタッフとの会議で「地政学的な位置に見合った国防力を持たねばならない」とした上で上記のように強調したという。青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席がこの日、自らのフェイスブックを通じて伝えた。朴主席は「先日国会で行われた予算審議の際に論争・討論となった軽空母について、防衛産業に対する文大統領の哲学と方向性は大統領の発言にも余すところなく込められている」とも説明した。

 青瓦台がこのような形で一連の議論の裏話を公開する背景には、軽空母事業に対する「税金の無駄遣い」「誇示用・展示用」などの批判に反論する意図があるようだ。文大統領は軽空母導入を大統領選挙の公約としたが、これに対して野党や韓国軍とその周辺からは「韓国軍の作戦半径から考えると国防計画における軽空母の優先順位は高くない」との指摘が今も続いている。陸上の基地から出撃した戦闘機が到達できない海上の地点など一カ所もないにもかかわらず、数兆ウォン(数千億円)を投入して空母船団を構成すべき理由はないというのだ。「日本による軽空母導入に刺激を受けた文大統領が無理にごり押ししている」との見方もある。

 与党内でも否定的な意見が根強いようだ。そのため先月行われた国会国防委員会で韓国政府は軽空母事業推進のため72億ウォン(約6億9000万円)を要請したが、結果は5億ウォン(約4800万円)にまで削減された。しかしその後青瓦台の求めによって与党・共に民主党が単独で関連予算を再び通過させた。

 青瓦台は来年の大統領選挙を前に「文在寅政権は安全保障にも力を入れている」と引き続き訴えている。防衛産業での成果を強調するのもそのためだ。文大統領はおよそ1兆ウォン(約960億円)規模とされる「K9自走砲」の輸出契約を実現させた今月中旬、オーストラリアを国賓訪問した後のスタッフ会議で「わが防衛産業の世界市場でのシェアを引き上げただけでなく、輸出が輸入を上回り名実ともに防衛産業輸出国になったのは意義深いこと」と述べたという。朴首席は「文在寅政権は歴代のどの政権よりも防衛産業を飛躍させた政府と自負している」とも主張した。

キム・ミョンソン記者

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  • ▲韓国型軽空母。/韓国国防部

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