【コラム】日本の「こども家庭庁」創設に失望感

 先日、日本では「こども家庭庁」創設というニュースが議論になった。少子化対策および子ども政策全般を総括するこども家庭庁を2023年に総理大臣直属機関として創設するという方針が閣議で正式に決定されたためだ。ただし、日本の人々が注目したポイントは、この組織が創設されるということではなく、名称だった。これまでの話し合いで「こども庁」と呼ばれていたこの組織の名称が突然、「こども家庭庁」に変わった経緯に、多くの関心が寄せられたのだ。

 子ども関連政策を専門に担う行政機関を創設するという方針は、菅義偉前首相が昨年4月に正式発表した。菅前首相は「子どもを社会の中心にする」という目標の下に「こども庁」を作ると明らかにした。高齢者に比べて子ども・若者が政策から外されてしまっていたという反省から出たアイデアで、与党・自民党内の若手議員らが提案した。内閣府・厚生労働省・文部科学省などに分かれている少子化、児童貧困、児童虐待、いじめ、ヤングケアラー、保育園不足問題などに総合的に対処できる組織を作ろうという趣旨だ。その中核となる考え方は「子どもファースト(first=第一・優先)」。保護者よりも子どもの立場をまず考えようという意味だ。教育・児童専門家はもちろん、児童虐待被害者といった当事者たちが積極的に支持の意向を表明した。

 ところが、先月15日に1時間半余りの自民党の会合で、「こども庁」は「こども家庭庁」になった。この会議で「子どもは家庭が基盤になって成長するのだから、新しい組織の名称は『こども家庭庁』にするべきだ」という主張が支持を得て、名称変更が決定されたという。自民党の中堅議員らは先月初めから「子どもは家庭で母親が育てるので、『家庭』という言葉が入るのが当然だ」「青少年が健全に育つには、家庭がまずしっかりしていなければならない」として、こども庁の名称変更を要求したと言われている。だが、名称変更に失望の声が上がっている。「家庭という囲いの中で育つことができない子どもたちもいることや、虐待の被害に遭った子どもたちにとって、『家庭こそ地獄だ』という現実を無視した決定だ」ということだ。

 さらに失望したのは、日本の政策を主導する政治家たちの根本的な考え方だ。「子どもの成長は家庭の責任」という本音が読み取れる。子どもたちが経験する問題を子どもの立場から考え、解決策を模索するという「こども庁」創設の趣旨が台無しになったと感じられた。子育ては韓国よりもましだと言われる日本だが、それでも依然として「子育て罰」と言われる問題がある。子育て罰とは、社会が親に対してあまりにも大きな責任と役割を要求しているため、親が子どもを育てる過程を社会的な罰のように感じている、という意味だ。

 子どもをめぐる社会問題を解決するには、結局、子どもの成長の責任を社会が分かち合うところから出発すべきではないだろうか。少子化・児童虐待といった問題を抱えている韓国社会にとっても反面教師になる話だ。

東京=チェ・ウンギョン特派員

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