【独自】韓国水力原子力、文大統領の脱原発宣言6大論理に反論(上)

韓国水力原子力「国内の原発、十分安全」…グラフィックスまで作成して説明
「カーボン・ニュートラルのため原発重要」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が政権発足直後の「古里原発1号機永久停止宣言式」で宣言した脱原発政策の正当性を、韓国電力の発電事業子会社「韓国水力原子力(韓水原)」が真っ向から否定した。文大統領は当時、6つの理由を挙げて脱原発実行を注文したが、政権末になって韓水原がこれを全面的に否定したものだ。原発閉鎖世論形成に起爆剤的な役割を果たした福島原発事故の事例とは違い、「韓国の原発は設計面で科学的に安全であり、40年間余り安くて安定した電力供給源という役割を果たしてきた」というのが韓水原の主張の要旨だ。

【表】文大統領の発言VS韓水原の反論

 文大統領は2017年6月、古里1号機の永久停止宣言式で、「古里1号機の稼働永久停止は脱核国への出発点」「安全な大韓民国への大転換」として、「原発政策を見直し、原発中心の発展政策を廃棄と脱核時代の方向に進める」と明らかにした。これが脱原発政策の信号弾だった。ところが、韓水原はこうした大統領発言を真っ向から否定する8ページの回答書を4日、野党・国民の力の金度邑(キム・ドウプ)議員側に提出した。

 文大統領は当時、「原発は安全ではない」「我が国は原発稼働による安い発電単価を最高と考え、国民の生命・安全は後回しだった」「原発は地震に弱い」「福島原発事故は『原発は環境にやさしくない』という事実を示した」などの論理を掲げた。政府の脱原発政策は文大統領の発言直後に本格的に推進された。

 韓水原は国会に提出した回答書で、「原発運転における最優先の核心的な価値は常に安全」「いくら安くて便利でも、安全でなければ運転しないのが望ましい」「韓国で運転される原発は安全だ」と述べている。これと合わせて、「韓国の原発は40年以上もの間運転され、安価で安定した電力供給に大きく寄与し、安定性・経済性などが浮き彫りになっているが、一度も事故がなく運転されてきたのは安全に対する信念・信頼があったからだ」としている。韓水原は特に、放射能流出がないように何重もの壁に囲まれて設計されている韓国の原発の特徴をグラフィックスに作成して提出した。

 地震に弱いという文大統領の発言に対しては「地震に対しても十分安全だ」と反論した。統計上、発生する可能性のある震度よりも強い地震にも耐えられるとして、「韓国の原発は原子力安全法により敷地半径320キロメートル以内の敷地調査を通じ、発生可能な最大の地震の力を算定し、これに安全上のゆとりを多く取って耐震設計しているので、地震に対しても十分安全だ」ということだ。事実、古里・ハヌル原発はマグニチュード(M)6.5、セウル・月城・ハンビッ・新ハヌル原発はM 7.0の地震に耐えられるように設計されている。

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  • ▲2017年6月19日、古里原発1号機の永久停止宣言式で演説する文在寅(ムン・ジェイン)大統領。写真=キム・ジョンホ記者
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