「北朝鮮から漂着した即席麺の袋、韓国のデザインをかなりパクっている」

西海5島で1年間、生活ごみを収集…1414点を分析して本を出したカン・ドンワン教授
「米日の漫画のキャラクターも無断コピー…砂糖の代用品を使うくらいに経済は窮迫」

 北朝鮮の実情を研究してきたカン・ドンワン東亜大学教授(48)は、昨年秋からおよそ1年間、ペンニョン島や延坪島など「西海5島」を回って北朝鮮から流れてきたごみを拾い集めた。こうして「収集」した北朝鮮の生活ごみは708種類、1414点に上る。カン教授はこれを分析し、最近『西海5島で北朝鮮のごみを拾う』というタイトルの本を出した。カン教授は12月22日、本紙の電話インタビューに応じて「ごみをきちんと調べてみるだけでも、北朝鮮の人々の暮らしを垣間見ることができる」と語った。

【写真】韓国の「辛ラーメン」を模倣した北朝鮮の「牛肉味即席めん」

 カン教授は毎年数回、中朝国境地帯を訪れて北朝鮮関連の品物を集め、市場や国境を見て回って北朝鮮の実情を研究してきた。だが新型コロナで中朝の国境を訪れることができなくなる中、昨年ペンニョン島を旅行していたとき、たまたま海岸で北朝鮮の商品のパッケージを見つけたことが「ごみ研究」の始まりだった。量も種類もさまざまで、好奇心が湧いたという。カン教授は「原材料を輸入せず自給自足、自力更生を強調している北朝鮮で、どうやってこうも多様な商品を作ることができるのかと疑念を抱いた」としつつ「北朝鮮の商品も、製品の特性に合った商品名やデザインはもちろん、キャラクターまで描き込んでいたという事実に内心驚いた」と語った。

 カン教授は、北朝鮮の生活ごみを糖菓類・製パン・飲料・乳製品・食品・ヤンニョム(合わせ調味料)・酒類およびたばこ・医薬品・雑貨などに分類して分析した。韓国で販売しているラーメン、お菓子に似たデザインのパッケージも多数見つかった。北朝鮮の「牛肉味即席めん」のパッケージは、韓国の「辛ラーメン」のパッケージと非常によく似たデザインだ。チョコパイの一種「チョコレート・タンソルギ」の包装は、韓国のオリオン社製チョコパイのデザインと似ている。姜教授は「韓国産の製品をまねしたとみられる」と語った。

 日本や米国など外国の有名キャラクターを使った痕跡もあった。「平壌穀産工場」で作った「銀河水 イチゴの香りのクリーム入りあめ」のパッケージには、ネコのキャラクターが描かれていたが、日本の「ハローキティ」をそのまま模写したものとみられる。北朝鮮の「船興食料工場」で作った「バナナジャンプ菓子」には、米国ディズニー社の「くまのプーさん」のキャラクターが載っている。変形させてはいるが、事実上、無断の「パクリ」だ。カン教授は「閉鎖された条件故に外国と知的財産権争いが起きないという点を利用し、キャラクターのデザインを無断コピーして使っているものとみられる」と語った。他方、北朝鮮の有名アニメ『かしこいタヌキ』のキャラクターを使うなど、独自デザインの製品も多数あった。

 カン教授は「砂糖の代わりに、『八月草』の糖成分を絞り出して精製した『八月草糖』という代用品を使った炭酸飲料のごみも多かったが、これは砂糖すらきちんと作れない北朝鮮の実情を反映している」と語った。

 動画サイト「ユーチューブ」に統一・北朝鮮関連のチャンネルも持っているカン教授は、今回出した本が25冊目の北朝鮮関連著書になる。2011年に世界で初めて「北朝鮮の韓流」を紹介した著書『韓流、北朝鮮を揺さぶる』を出し、18年から20年にかけて中朝国境探訪シリーズ3巻を出版した。カン教授は「北朝鮮・統一についての本100冊を出すのが目標」だという。

キム・ミョンソン記者

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  • ▲『西海5島で北朝鮮のごみを拾う』/写真=カン・ドンワン教授提供
  • ▲韓国の「辛ラーメン」(写真上段右側)を模倣した北朝鮮の「牛肉味即席めん」。韓国の菓子「バナナキック」(写真下段右側)に類似した北朝鮮の「バナナジャンプ菓子」。/写真=カン・ドンワン教授提供

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