【コラム】米国の肩に乗り宇宙まで進出する日本

 日本で『(米日)同盟漂流』が出版されたのは1997年だ。著者は後に朝日新聞の主筆となる船橋洋一氏。在日米軍兵士による沖縄県での女子中学生強姦(ごうかん)事件などで揺らぐ当時の米日関係を懸念して書いたという。同書は米国防長官だったウィリアム・ペリー氏の懸念の声で終わっている。「米日同盟は逆ピラミッド構造のようだ。常に両側から支えなければ倒れてしまうような感じがする」。1990年代の米日同盟の不安定さを逆三角形に比喩したのだ。

 同書が発行されてから25年が過ぎた2022年の年頭、米日同盟は逆ピラミッドではなく安定したピラミッドのようになった。「この四半世紀で蓄積された米日同盟は当分は簡単に揺らぐことはない。最適の状態を維持するだろう」。これは2018年から朝鮮日報で東京特派員を努め今も国際部長として毎日のように日本を観察してきた記者の小さな結論だ。

 最近の米日同盟発展のスピードとその幅は同盟を巡る歴史を新たに書き換えねばならないほどだ。日本の観点から同盟の現状を判断する重要な指数は中国と領有権争いが続く尖閣諸島(中国名、釣魚島)問題だ。米国のバイデン大統領は2020年に当選した直後、日本の首相との最初の電話会談で尖閣の防衛に言及し、日本列島を驚かせた。日本の外務省幹部がこれに大きく満足し「百点満点」と高く評価したことが大きく報じられた。米国は最近「(誰も)壊すことのできない米日同盟」という表現を使い始めた。台湾有事の際に両国が共同作戦を展開する作戦計画が1月中に取りまとめられる。昨年創設された米国、英国、オーストラリアの3カ国による同盟「AUKUS」に日本が入り「JAUKUS」になるとの話も聞こえてくる。

 過去の米日同盟は一方的な米国主導だったが、最近は日本が背後で動かし、引っ張っていく側面も見え隠れする。日本はバイデン政権発足後も安倍晋三元首相が考案した「自由で開かれたアジア太平洋(FOIP)」というスローガンを引き続き使用させることに成功した。米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国による安保協力体「クアッド」の事実上の事務局も日本が担当している。

 昨年の英国、フランス、ドイツによる「アジア回帰」は国際社会から大きな注目を集めた。英国海軍の空母クイーン・エリザベスなどをはじめとする欧州3強国の艦艇を横須賀港に寄港させ、中国けん制に加わらせた主役は日本だった。「北朝鮮による海上での違法な貨物の積み替え(瀬取り)に対処する」としてオーストラリア、カナダ、ニュージーランドまで引き入れ準同盟とも言える体制まで築き上げた。米国の肩に乗って重要な役割を果たしながら実利を手にしているのだ。

 年の瀬となった先月、岸田文雄首相の発言は「米日同盟の宇宙化戦略」を象徴的に示すものだった。日本は米国が280億ドル(約3兆2000億円)を投じる「アルテミス計画」と呼ばれる月面有人探査計画の重要なパートナーとして参加している。岸田首相はこれを足掛かりに「2020年代後半には日本人宇宙飛行士による月への着陸実現を目指す」と発表した。米日共同で月に植民地を建設し、レアアースを持ち帰る計画も検討中だ。

 米日同盟とは対照的に米国による「韓国放棄政策」が具体化しないか懸念している。文在寅(ムン・ジェイン)政権はバイデン政権の重要政策であるクアッドへの参加に否定的だ。終戦宣言や北京冬季オリンピックの「外交的ボイコット」問題で両国の不協和音は一層大きくなっている。韓米通貨スワップは米国の意向で延長に失敗し、先月31日に終了した。米国と無制限の通貨スワップを締結している日本では今「米日同盟飛躍」という書籍が出てもおかしくない。今年3月の韓国の大統領選挙で韓米同盟を最優先に考える大統領が当選しなければ、「漂流する韓米同盟」という書籍も出るのではないか。

東京=李河遠(イ・ハウォン)国際部長

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