中国が領有権を主張する南シナ海で日本も「航行の自由作戦」実施

「国際法ゆがめている中国に警告」

 日本の海上自衛隊の護衛艦が昨年から複数回、中国が南シナ海で領有権を主張する人工島や岩礁の近海を航行していたことが分かった。米国が中国の海上進出をけん制しようと同地域で展開している「航行の自由作戦」と同じ概念の活動をしたと言える、との見方が出ている。

 読売新聞が11日に報道したところによると、日本の護衛艦は、中国のほかベトナム、フィリピンなどが領有権を主張する南シナ海南部のスプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)周辺の公海を航行したとのことだ。菅義偉政権下だった昨年3月に始まり、同年8月にも行われた。他国海軍との共同訓練や中東方面に派遣された護衛艦の行き帰りなどの際にも実施されたという。

 ただし、日本の護衛艦は、中国が自国の領海(海岸から12カイリ〈約22キロメートル〉までの海)だと主張する海域には進入せず、「接続水域」(海岸から12-24カイリ〈約22-44キロメートル〉内の海)を航行した。このため、日本政府は護衛艦の航行について、「公海上の航行であり、何ら問題はない」との立場だ。匿名の防衛省幹部も「国際法をゆがめている中国に対し、航行の自由、海洋の法秩序を守るよう警告する意味がある」と語っている。

 読売新聞はこのような航行について、「米国が南シナ海で展開する『航行の自由作戦』と同様、中国の一方的な現状変更の試みをけん制するのが狙いだ」「中国が沖縄・尖閣諸島(中国名:釣魚群島)など日本周辺の海域で活動を活発化させていることも背景にある」と説明した。

 中国は2014年以降、スプラトリー諸島の各岩礁を人工島化した上で軍事拠点化を進め、この一帯を自国の領海だと主張している。しかし、米国はこれを認めず、人工島の12カイリ以内の海域で航行している。日本はこれまでこの作戦には参加していなかった。

東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員

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