韓国与党「大庄洞は李在明の指示」と報じたメディアを一斉提訴へ…野党「メディアにさるぐつわ」と反発

 韓国与党・共に民主党選挙対策委員会はいわゆる「大庄洞開発優遇疑惑」の裁判で火天大有の大株主キム・マンベ氏の弁護人が「李在明(イ・ジェミョン)城南市長(現・共に民主党大統領候補)が指示した方針に従った」と主張したことを記事火したメディア各社を言論仲裁委員会、中央選挙管理委員会に提訴する方針であることが11日までに分かった。李候補側の反論を同じ見出しの大きさ、同じ記事量で扱わなかったという理由を掲げたが、メディアによる疑惑報道を抑え込む「さるぐつわ」をはめようとしているのではないかとの批判を呼んでいる。

【図】大庄洞開発事業優遇疑惑を巡る43億ウォンの人物相関図

 民主党選対の権赫基(クォン・ヒョクキ)広報は同日、キム氏の法廷証言を報じたメディアを提訴する方針を明らかにした上で、「(記事では)『李在明の指示』といったキーワードが見出しに取られたが、我々が提起した反論は同じ比重で反映されなかった。これは選挙に大きな影響を与える記事編集方向だと判断した」と述べた。

 11日午後までに民主党選対が独自に「提訴対象」に含めたメディアは20-30社に達するもようだ。メディア各社がキム氏の法廷証言に基づき配信した記事50件余りに全て問題があるというのが民主党の主張だ。権広報は「訂正報道を通じ、自分たちの反論が十分に受け入れられたと見なされれば、(そのメディアは)提訴対象から除外することもあり得る」と語った。

 李在明候補はキム氏のような法廷証言が出ていることについて、「検察が政治的に魔女狩りをしている」と主張した。李候補は記者団に対し、大庄洞開発の民間事業者による法廷証言に関する質問が出ると、「しきりに些細なことで歪曲(わいきょく)しようとする試みがある。検察が3カ月捜査しておいて、今になっておかしな情報を流し、政治に介入している格好だ」と答えた。大庄洞開発の民間事業者であるキム氏側が法廷で李候補の責任に言及した背景に検察がいるという趣旨と受け止められている。

 野党は「大庄洞(開発)の設計者である李候補がむしろ検察をとがめ、法廷証言も報道されないように脅している」と批判した。国民の力の崔炯斗(チェ・ヒョンドゥ)議員は「公開裁判で被告が証言した内容も記事に書けないというのか。正気なのか」と述べた上で、「大庄洞開発優遇疑惑は捜査も報道もできないというのが果たして国と言えるのか」と主張した。正義党も「全斗煥(チョン・ドゥファン)政権下での報道指針を連想させる」と批判した。

キム・ヒョンウォン記者

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  • ▲大庄洞開発優遇疑惑の重要人物キム・マンベ氏/キム・ジホ記者

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