イースター航空500億ウォン横領・背任、李相稷議員に懲役6年

イースター航空500億ウォン横領・背任、李相稷議員に懲役6年

 格安航空会社(LCC)イースター航空の創業者、李相稷(イ・サンジク)国会議員(無所属・元共に民主党)が500億ウォン(約48億円)を超える横領と背任などの罪で起訴された事件で、李議員は12日、一審の全州地裁で懲役6年の判決を受け、収監された。同地裁は判決で「李議員はイースター航空グループの創業者、総帥として絶対的な権限と支配力を悪用し、企業を私有化した」「反省しておらず、自分が検察による標的捜査の犠牲になったかのように弁明している」と指摘した。李議員は昨年4月、国会で逮捕同意案が可決されたことを受け逮捕、起訴され、昨年10月末に保釈されたが、今回の判決で再収監された。

 李議員は2015年11-12月、イースター航空の株式524万株(約540億ウォン相当)を子女が株主となっているイースターホールディングスに安値で売却し、イースター航空に430億ウォンの財産被害を与えたとして、特定経済犯罪加重処罰法が定める背任の罪で起訴された。また、16年から18年にかけ、イースター航空の系列企業が保有していた債券の価値をみだりに操作し、債務を早期償還する手口で、系列企業に56億ウォン余りの損害を与えたほか、13-19年にはイースター航空系列企業の資金53億6000万ウォンを横領した疑いも持たれていた。

 全州地裁はイースター航空の株式を安値で譲渡した部分について、「証拠によれば、経営上必要がない株取引だったのに、李議員が人為的に主導した。李議員の子女が株主となっているイースターホールディングスがイースター航空の大株主になるために行われた取引だった」と指摘した。また、50億ウォンを超える資金横領については、「李議員が個人的利益と個人の資金調達のために行った犯罪は会社の経営破綻につながり、株主、債権者、社員が被害を受けた」とした。李議員は家族を系列企業の社員として登録し、給与を受け取る手口などで会社資金を横領し、娘が運転していたポルシェの保証金、レンタル費用、保険料、海外ブランド品の購入などに充てていたことが確認された。債券早期償還についても一部が有罪と認定された。

 李議員は20年4月の総選挙で共に民主党から出馬して再選を果たした。イースター航空関連の疑惑捜査が本格化すると、同年9月、「事態解決後に戻ってくる」として離党し、無所属となった。李議員を巡っては、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の娘婿の「タイイースタージェット就職優遇疑惑」に対する検察の捜査が今も行われている。野党国民の力は「娘婿がタイに移住した直後の18年7月、李議員が実質的オーナーであると疑われるタイの航空会社、タイイースタージェットに特別扱いで就職した疑惑がある」とし、20年9月に文大統領と李議員を贈収賄に疑いで検察に告発した。イースター航空横領事件を捜査した全州地検がこの事件も担当したが、告発人から聴取を行っただけで、捜査は事実上行われていないという。

キム・ジョンヨプ記者

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