「大庄洞の超過利益回収、3回も提言した」…城南都市開発公社幹部の遺書公開

 「大庄洞事件」で捜査対象となり自死した城南都市開発公社のキム・ムンギ開発事業第1次長が「超過利益回収条項を入れるべきだと3回も提言したが、反映されなかった」とし、悔しさを訴えた内容の自筆の書簡が19日、遺族によって公開された。キム次長は2015年、火天大有が加わった「城南の庭」が事業者に選定される過程など大庄洞事業の実務全般を担当していた。民間事業者が超過利益を独占できないようにする「超過利益回収条項」の削除問題は今回の事件の背任容疑の核心だ。

【図】大庄洞開発事業優遇疑惑を巡る43億ウォンの人物相関図

 金次長が生前最後に書いたA4用紙2枚から成る自筆の書簡は「社長への訴え」と題したものだ。昨年10月にソウル中央地検に参考人として3回にわたり出頭し、事情聴取を受けた後、尹政洙(ユン・ジョンス)城南都市開発公社社長に送るために作成された。

 金次長は書簡で「大庄洞関連事業について、一線の部署責任者として最善を尽くしたにもかかわらず、今回のようなことが起き、残念な思いを禁じ得ない。あまりに悔しい。会社が定めた基準を超え、超過利益(回収条項)部分の挿入を3回も提案したが、反映されなかった。当時の役員は公募志願書の基準と入札計画書の基準通りに意思決定を行った」と指摘した。

 こうした内容はソウル中央地検の捜査結果にも一致する。ユ・ドンギュ元城南都市開発公社企画本部長などの訴状によると、15年5月に火天大有は城南都市開発公社の収益を「大庄洞賃貸住宅用地A11ブロック」(1822億ウォン=175億円相当)に制限する事業協約書を同公社に提出した。キム次長は当時、その内容通りに事業を推進した場合、民間事業者が巨額の開発利益を得ることになると懸念し、公社の出資比率(50%プラス1株)に相当する追加開発利益の回収を定めた条項を付け加えた事業協約書修正案を作成した。しかし、超過利益回収条項は7時間後に削除されていたことが検察の調べで判明した。

 検察は当時公社で投資事業パート長を務めていたチョン・ミンヨン氏(在宅起訴)がキム次長に「削除」指示を下したと結論を下しているが、キム次長は自筆の書簡に「ユ・ドンギュBBJ(企画本部長)やチョン・ミンヨン・チーム長いからいかなる指示や圧力や不当な要求を受けたこともない」と書いている。ただ、そういう指示を出した公社役員が誰なのかは明かしていない。法律専門家は「故人は『自分は最後まで原則を守り、民間事業者と妥協しなかった』としながらも、上部(の指示)に言及するのはためらったようだ」と語った。

 キム次長の書簡の内容が捜査結果と一部食い違っているとの指摘があることについて、ソウル中央地検は同日、「訴状は関係者の供述と客観的資料などを全て総合して作成されたものだ。公訴事実もキム・ムンギ氏がチョン・ミンヨン氏の指示は不法だと知りながらも従ったという趣旨ではない」と指摘した。

表泰俊(ピョ・テジュン)記者、イ・セヨン記者

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  • ▲聴取を受けるためソウル中央地検に入る故キム・ムンギ城南都市開発公社開発第1次長/2021年10月、パク・サンフン記者

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