韓国選管の全職員が「中立性を損なう」と反発、大統領府がチョ・ヘジュ続投人事を撤回

韓国大統領府が慣例を破りチョ・ヘジュ委員の続投を試みるや、1-9級の全職員が集団で声明
大統領選を前に未曾有の事態…チョ委員の辞意を受け入れた文大統領

韓国選管の全職員が「中立性を損なう」と反発、大統領府がチョ・ヘジュ続投人事を撤回

 韓国中央選挙管理委員会の1-9級の職員全員と韓国国内17市・道の選管委指導部が、政治的偏向に関する論争に巻き込まれていたチョ・ヘジュ常任委員の辞任を求め、チョ・委員は21日に辞表を提出した。選挙を公正に管理するために設置された選管委の組織全体が、大統領選直前に「中立性を損なう懸念」を提起して集団行動に出るというのは前代未聞の事件だ。常任委員の任期(3年)満了が迫ったチョ常任委員は、慣例を破って非常任委員に身分を切り替えて選管委員の職をさらに3年続けようとしたが、職員らの反発により辞意を表明し、既に2度にわたり辞表を返戻していた文在寅(ムン・ジェイン)大統領もこれを受け入れた。

 中央選管委の室・局長団、課長団、事務官団は今月20日、チョ常任委員の辞任を求める共同声明を出して「チョ委員が任期を延長したら、選挙管理において困難がさらに重くなる恐れがある」とし、「選挙が迫っている時点で退任のチャンスを逃したら、2大選挙(大統領選挙・地方選挙)の過程や結果に対する外部の非難と不信は続くだろう」と指摘した。チョ常任委員は任命当時から、文在寅大統領の選挙陣営の特別補佐出身という事実が知られており、政治的公正性を巡る論争が起きていた。中立性を命とする選管委が、チョ委員の任期延長の試みのせいで「選手が審判を兼ねる」という批判から逃れられなくなるのだ。

 その後、中央選管委の6級以下の職員の協議体に相当する「幸せ仕事場作り委員会」も、チョ常任委員の辞任を求める声明に加わった。事実上、選管委職員およそ2900人全員が意見をまとめたのだ。一部の選管委職員は、チョ常任委員の家を訪れて辞任要求書を届けたいと語った。

 問題が大きくなったことから、チョ常任委員は21日に選管委内部のネットワークにコメントを載せ、「きょう私は任命権者に再び辞表を提出した」として「これで私に関する全ての状況が終了することを望む」と表明した。中東歴訪中の文大統領は「不必要な論争を減らすため辞意を受け入れなかったが、チョ委員が再び辞意を表明したことから、これを受け入れる」と語った-と青瓦台(韓国大統領府)は伝えた。

 韓国大統領選挙まであと40日ほどの時点で選管委常任委員が空席になり、青瓦台は後続の対策の整備に入ったという。青瓦台は、大統領任命ポストのチョ常任委員の後任となる中央選管委員として外部の人物を物色する一方、大統領任命で就任したイ・スンテク委員など既存の選管委員の中から1人が常任委員へ異動するケースなども検討しているという。

ノ・ソクチョ記者

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