7日の北京冬季五輪スピードスケート・ショートトラック男子1000メートルの判定疑惑が海外でも注目されている。
カナダのメディア「ヤフー・スポーツ」は「ペナルティーの助けを借りた中国の2つめのショートトラック金メダルが混乱とさらに多くの議論を生んでいる」と報じた。同メディアは「相手チームの失格により中国が2つめの金メダルを取ったことが批判をもっと増やしている」「中国はショートトラックで7日までの3種目のうち2種目で金メダルを取ったが、一度もフィニッシュラインを1位で通過できていない」と指摘した。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、ショートトラック種目で頻繁に行われているビデオ判定について指摘した。同紙は「五輪のショートトラックで公式的なことは何もない…少なくともビデオの再生を見るまでは」という記事で、「23回のレースのうち、4分の1以上がビデオ判定後に結果が調整された」「2002年のソルトレイクシティ五輪以降、ショートトラックで最も大きな議論の種」と報じた。日本のスポーツ紙「東京スポーツ」は「ショートトラックで疑惑の判定続出」と、台湾紙「自由時報」は「主催国のアドバンテージと言うしかない」と書いた。
一方、中国メディアは全く違う。中国紙「環球時報」などが「国際スケート連盟(ISU)は韓国とハンガリーの抗議を却下した」という内容を一斉に報道しているだけで、むしろ「愛国」「愛党」を強調する姿勢を取っている。7日、韓国選手とハンガリー選手の失格に乗じて男子1000メートルで金メダルを取った任子威(24)が試合後、「表彰台から降りる時、私と同じくらい年齢のボランティアたちが『歌唱祖国』(中国の第二の国歌と呼ばれる愛国歌)を歌うのを見た」「我々若い世代は希望に満ちていて、国のためにすべてをささげることができる」と語ると、北京日報など中国国営メディアは先を争うように任子威が中国共産党員であることを強調した同党中央規律検査委員会ホームページの文章を転載した。
中国の選手たちは先月25日に北京で行われた出陣式で、「最高指導者に報いよう」「総書記(習近平国家主席)と共に未来に行こう」というスローガンを叫んだ。中国共産党機関紙「人民日報」は冬季五輪開幕前から毎日、1面に五輪開催準備や五輪首脳外交で習近平主席の尽力を強調する記事を掲載している。人民日報は今月4日の記事で、「必ず中華民族の偉大なる復興を実現するという中国人民の信じる気持ちをさらに強化させ、富強・開放・希望に満ちた国のイメージを世界に見せる」と述べた。
北京=パク・スチャン特派員、チョ・ソンホ記者