「天安艦長が部下を水葬」民主党広報発言、韓国警察は「名誉毀損ではない」と判断

 韓国与党共に民主党の趙相鎬(チョ・サンホ)元副広報が2010年の哨戒艦「天安」沈没事件に関連し、「チェ・ウォンイル元天安艦長は自分の部下を水葬しておいて、責任を負っていない」と発言し、チェ元艦長から名誉毀損で告訴された問題で、ソウル地方警察庁は10日までに、嫌疑なしとして、送検を見送った。

 チェ元艦長側によると、ソウル地方警察庁は捜査審議委員会を開き、チェ元艦長の告訴内容について、送検を見送る決定を下した。事件を捜査したソウル衿川署が9日、チェ元艦長側に口頭で伝えたという。チェ元艦長側は「審議委は『チェ元艦長が公人であることを勘案すれば、(趙氏の発言は)容認できるレベルの批判だ』と判断したと聞いた」と説明した。

 趙氏は昨年6月7日、放送番組に出演し、「チェ元艦長は天安艦の惨事当時、大切な自分の部下を皆水葬しておいて、その後まともに責任を負っていない」とした上で、「(チェ元艦長)本人は処遇を受ける資格がない」と発言した。「暴言」だとする論議を呼ぶと、趙氏は同日、フェイスブックに「いったい何が暴言だというのか。作戦に失敗した軍人ならともかく、警戒に失敗した軍人は容赦できない」とも書き込んだ。

 チェ元艦長は同月10日、「水葬に警戒失敗というのは戦死者をもののしる発言だ」とし、趙氏を警察に告訴した。しかし、警察は8カ月余り経過し、罪に問うのは難しいとの決定を下した格好だ。

 チェ元艦長は本紙の電話取材に対し、「宋永吉(ソン・ヨンギル)共に民主党代表が公式に謝罪するほど誤った発言だったが、警察がどんな基準で嫌疑なしと判断したのか疑問だ」と述べた。チェ元艦長は警察による決定文が送達され次第、異議申し立てを経て、損害賠償を求める民事訴訟を起こす構えだ。

カン・ダウン記者、カン・ウリャン記者

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  • ▲海中から引き揚げられた哨戒艦「天安」がはしけに載せられ、韓国海軍第2艦隊(京畿道平沢市)に移送されている。/2010年4月24日、イ・ミョンウォン記者

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