【新刊】金基赫(キム・ギヒョク)著、キム・ボム訳『東アジア世界秩序の終幕』(文のつぼ刊)
日帝末期に学徒兵として動員されて脱走したある人物は「われわれは絶対に、国を奪われた、愚かな祖先みたいにはならないようにしよう」と幾度となく誓ったという。本書は「その愚かな祖先は果たしていつ、どのような国際的状況で失策を犯したのか」という疑問に対する答えになり得る。1860年から82年まで、朝鮮を国際世界に引き出した中国と日本の政策と行動が、それまでの東アジア世界秩序に及ぼした影響を探求した一冊。
清の朝貢国だった朝鮮が新たな秩序の中で国際社会の一員へと変貌する過程は(1)フランスが朝鮮を攻撃した1866年の丙寅(へいいん)洋擾(ようじょう)、米国が朝鮮を攻撃した1871年の辛未(しんび)洋擾など、列強の探索が行われていた時期(2)1876年に日本が朝鮮と江華島条約を結び、膨張主義に乗り出した時期(3)1882年に朝鮮が米国・英国と条約を結ぶまで、清が古い秩序から脱皮しつつ朝鮮問題に介入した時期-の3段階に分けることができる。周辺国の政策が急変するこの緊迫した時期に、国粋主義に陥って世界から孤立した朝鮮は、西洋を排斥して日本を軽蔑し、清国すらもあきれたように見ていた。
著者は、米国カリフォルニア大学の教授を経た東洋史学者の金基赫(1924-2003)。翻訳者(国史編さん委員会編史研究官)は「世界史的観点から朝鮮の位置を冷徹に評価し、過大な包装は控えつつも自虐史観には陥っていない研究書」と評した。448ページ、2万5000ウォン(約2400円)
兪碩在(ユ・ソクチェ)記者