サムスン半導体もLGバッテリーも…日本製の素材・装置がなければ生産ストップ

 韓国最大手の電池メーカーであるLGエナジーソリューションは、液体化学物質である電池を安定的に包む重要素材である「アルミニウムパウチフィルム」を日本の大日本印刷、昭和電工から輸入している。2019年に日本が半導体・ディスプレーの重要素材3種類について、韓国に対する輸出規制を実施すると、LGも速やかに代替供給元の確保に乗り出した。同社関係者は「国内と中国メーカーに接触し、製品テストを実施し、納品を受けるために各方面に問い合わせた」と話した。

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 しかし、LGは現在も世界市場の70%を掌握する日本企業2社の製品を使用している。複数のパウチフィルムをテストしたが、価格と性能のいずれも基準を満たさず、量産は到底不可能との判断を下したからだ。それ以外にも二次電池の電極を安定させる正極・負極バインダー、電解液添加剤、銅箔製造設備など日本に絶対的に依存する製品が依然として多い。韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「国内企業が国産化に取り組んでいるが、ノーベル化学賞の受賞者を何度も輩出した日本が重要な技術の特許を相当数掌握している状況だ」と話した。日本の技術特許を避けながら、素材・部品・装置の国産化を進めるのは口で言うほど容易ではないのだ。

■韓国政府「海外の代替サプライチェーン発掘」…調べてみると日系

 19年の日本の輸出規制品目の一つである「フォトレジスト」は、対日輸入依存度が18年の93.2%から昨年には79.5%に低下した。代替供給元として確保したベルギーからの輸入額を10倍以上増やしたからだ。昨年ベルギーからの輸入は15.8%を占めた。韓国政府は「日本への依存度を抑えた成果だ」と発表した。しかし、これについて、日本経済新聞は韓国がベルギーから輸入したフォトレジストは日本のJSRのベルギー工場で製造されたものであり、欺瞞的な数値発表だと報じた。製造国が変わっただけで、依然として日本企業の製品だからだ。

 同様に規制対象だった高純度フッ化水素はソウルブレーン、ENFテクノロジーなど一部韓国企業が国産化に成功した。技術力を確保して量産に入ったが、それでも日本の影から逃れることはできない。高純度フッ化水素を生産するための原料需給から製造に至るまで全ての関連企業が日本の化学メーカーとの合弁だからだ。ソウルブレーンは日本のステラケミファ、丸善油化商事と合弁で設立したフェクトから原料供給を受け、ENFテクノロジーの高純度フッ化水素生産系列会社であるフェムテクノロジーは日本の森田化学工業(32%出資)などとの合弁だ。

■素材のみならず半導体設備も対日依存

 半導体世界最大手のサムスン電子も日本の設備がなければ工程に大きな支障が出る。例えば、超微細製造プロセスであるナノ(1ナノメートルは頭髪の太さの10万分の1)単位の半導体工程に必須の極端紫外線(EUV)検査設備は日本のレーザーテックが世界で唯一生産している。レーザーテックの最大の輸出先も韓国だ。このほか、東京エレクトロン、荏原製作所など半導体特殊工程に必要な設備を専門的に生産する日本企業が多い。半導体業界関係者は「サムスン電子の担当者と半導体設備サプライチェーンのリスクについて話したが、『日本の設備メーカーからの100%独立は現時点で不可能だ』との答えが返ってきた」と語る。

 対外経済政策研究院の調査によると、半導体用レーザー切断機は最近2年連続で全量を日本から輸入。フォトレジスト塗布・現像機、半導体ウエハーエッチングなどのための噴射機、ウエハーを個別のチップに切断する機器などは日本からの輸入割合が90%を超える。同院のチョン・ヒョンゴン上級研究委員は「2020年に半導体製造設備の輸入品目を全数調査した結果、22品目で対日輸入依存度が70%を超えた。日本が設備分野でも輸出規制を実施すれば、大打撃は避けられない」と指摘した。

イム・ギョンオプ記者

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