「外国人の入国を禁じる日本の未来を懸念」vs「国民を守るためには当然」(上)

【崔銀京のジャパン認証ショット】
日本でコロナ鎖国・開国論争
コロナ後に外国人差別論争が高まる
NHK「留学生14万人が入国できず」
日経新聞「競争力確保のためには開国が必要」
一般国民は「鎖国」を支持
89%が「岸田内閣の政策に同意」
日本は当分の間欧米の状況を見守る見通し

 「日本は最近になって『新規ビザ・モラトリアム』の状況だ。職員の日本派遣に頭を痛める海外企業は果たして日本が長期にわたり信頼できるパートナーかを疑い始めている」(クリストファー・ラフルアー在日米国商工会議所特別顧問)

 「入学だけして入国できない学生たちは時差のため深夜にオンラインで授業を受ける。バンパイアのようだと言っている。将来日本に貢献できる未来の人材の入国を阻止する日本のことが心配だ。外国からの留学生は徐々に日本ではなく韓国や台湾、欧州を選択するようになるだろう」(マシュー・ウォルソン米テンプル大学日本キャンパス学長)

 東京・丸の内の日本外国人特派員協会で9日に記者会見が開かれた。この席ではこれまで2年にわたり外国人の新規入国を禁じてきた日本政府への批判の声が1時間にわたり続いた。在日米国商工会議所、欧州ビジネス協会、ドイツ商工会議所、米テンプル大学日本キャンパスの関係者が出席したこの会見のテーマは「日本の足を引っ張る厳格な入国制限」。日本に支社を置く外国企業や大学を代表する彼らは「日本による原則のない入国規制政策が日本の未来の成長可能性をむしばんでいる」と強く主張した。日本経済新聞は10日、この会見について「日本の『コロナ鎖国』への批判が高まってきた」「中長期の国際競争力にも響きかねず『開国』が急務になってきた」と報じた。

 21世紀が始まって22年が過ぎた今、日本では時ならぬ「鎖国・開国論争」が起こっている。新型コロナウイルス感染症の発生初期となる2020年上半期から日本政府が続けている「水際対策」がその理由だ。「水際」とは「敵が陸地に到着する前に海で殲滅(せんめつ)する」を意味する軍事作戦に由来する言葉で、パンデミック初期にコロナ発生国からの外国人入国を遮断し、ウイルスの日本流入を防ぐという趣旨で行われた。その後、日本国内では地域社会での感染対策に政策の焦点が移されたが、外国人は特別なケースを除けば入国が原則不可能で、2020年末のデルタ株発生後からは規制がさらに強まったとの見方もある。2年近くにわたり外国企業は日本支社に必要な人材を必要なときに派遣できない状態が続いている。日本にある国内外の大学も留学生の募集が難しくなっている。そのため企業や教育機関などが強く反発し始めたのだ。

 NHKは9日のメインニュースで「海外で入国待機中の留学生は約14万5000人に達する」と報じた。彼らの一部は日本への入国を待ち切れず米国など他国の大学に移っているという。在日米国商工会議所のラフルアー特別顧問によると、今も入国できない会員企業の社員は少なくとも150人に達し、家族まで含めると数百人に上るという。在日ドイツ商工会議所が1月下旬に日本に進出するドイツ企業を対象に実施した調査では、62%の企業が今後最大1000万ユーロ(約13億円)の損失を見込んでおり、事業縮小、国外への拠点移転を実施、予定する企業もそれぞれ約1割に上っているという。在日米国商工会議所と欧州ビジネス協会は2月初めに水際対策の撤廃を求める声明も正式に発表した。

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