中国の人権・北の挑発・ロシアの侵攻に顔色ばかりうかがう韓国…「米国の三流同盟国に転落する羽目に」(下)

 深刻なのは、韓国が自由民主主義国家として当然上げるべき声を上げず、米国がこれに失望するケースが積み重なってきているという点だ。その代表的な例が韓国の対中けん制・圧力戦線離脱だ。昨年1年間、米国は通商・外交・情報分野の長官・次官級の人物を韓国に相次いで派遣し、グローバル・サプライ・チェーン再編など対中けん制・圧力戦線に賛同するよう強く要請してきたが、韓国は即答していない。昨年、世界43カ国が国連で、中国の広範囲かつ組織的な新疆ウイグル自治区人権弾圧を非難したが、韓国は不参加だった。この延長線上で米国が主導した北京冬季五輪の外交的ボイコットも、米国の同盟国・友好国は賛同したが、韓国は国会議長と文化体育観光部長官を派遣した。

 専門家らは「文在寅政権が中国・ロシアの誤った行動を制裁するのに消極的なのは、結局北朝鮮のため」と話す。任期を通して北朝鮮との平和イベント達成に執着する中、北朝鮮の友好国である中国・ロシアの気に障らないように格別の注意を払ってきたのではないか、ということだ。北朝鮮に対する文在寅政権特有の低姿勢外交が対中国・対ロシア関係でも作用したという見方だ。

 最近ワシントン筋が最も納得しがたかったのは、北朝鮮によるミサイル連続挑発を糾弾する米国主導の共同声明に、韓国政府が3回連続で加わらなかったことだ。北朝鮮が発射したミサイルはほとんどが射程距離数百キロメートルの新型弾道ミサイルまたは放射砲で、いずれも対南攻撃用という共通点がある。しかし、文在寅政権は北朝鮮のミサイル発射が国連安保理決議違反であることを指摘したり糾弾したりするのに消極的だった。韓国は国連の北朝鮮人権決議案共同提案国にも3年連続で名を連ねていない。

 ワシントンの外交消息筋は「バイデン政権では、『果たして韓国は真の友人なのか』という疑念が広がっている」「北朝鮮・中国・ロシアをかばう韓国の姿勢が、韓米の共有する自由・民主・人権の価値を損なっているためだ」と語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

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