21世紀の韓国大統領選で押印済み投票用紙をかごで運搬

 新型コロナウイルス感染者・隔離対象者が5日に行った韓国大統領選の事前投票(期日前投票)で、投票用紙を選挙事務員が適正に管理せず、大きな混乱が生じた。感染者・隔離対象者が選択印を押した投票用紙を直接投票箱に入れるのではなく、選挙事務員が回収したことで、一部有権者は「直接投票・秘密投票の原則に反する」と抗議した。一部の投票所ではかごに投票用紙を入れて運ぶ様子も見られ、「学校の班長や里長(最小行政単位の首長)を選ぶ選挙でもこんなふうにはやらない」という反発が相次いだ。与野党は中央選挙管理委員会を訪れて抗議した。選管は「投票管理に不十分な点があったが、不正の可能性は絶対にない」とし、7日に緊急会議を開き、9日の本投票での対策を立てることを決めた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6日、今回の混乱について、「遺憾だ。選管は経緯を説明すべきだ」と語った。

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 コロナ感染者・隔離対象者は5日午後5時から外出許可を受け、全国の事前投票所を訪れ、臨時の記入台で投票を行った。一部の投票所では投票立会人がいない状況で選挙事務員が感染者らの投票用紙をビニール袋、即席麺の段ボール箱、かごなどに入れて運び、既にが選択印を押された投票用紙を別の有権者に交付したケースもあった。大韓弁護士協会は声明を通じ、「直接投票・秘密投票という民主主義の原則を無視した事態だ」と批判した。

 事前投票では有権者総数4419万7692人のうち1632万3602人(36.93%)が投票を済ませ、過去最高を記録した。しかし、感染者・隔離対象者の投票管理が不適正だったことから、中央選管の選挙管理能力や公正性に対する不信が高まっている。

 与野党は「予見された惨事だ」とし、中央選管を訪れて抗議した。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補は「9日の本投票では混乱が再発しないように、徹底した措置を取るべきだ」と述べた。国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補は「事前投票不正疑惑を持つ保守層に対する分裂策ではないか。圧勝してはっきりさせよう」と語った。与野党は選挙不正疑惑は指摘しなかったが、僅差で当落が分かれた場合、感染者・隔離対象者による投票の問題が議論を呼ぶことも考えられる。選管はまた、5日の投票に参加した感染者・隔離対象者の事前投票率を別途集計しないなど、正確な数字も把握していなかった。

張祥鎮(チャン・サンジン)記者、ノ・ソクチョ記者

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