【独自】コロナで医療崩壊の韓国…昨年12月だけで超過死亡数5000人

公式発表は「死亡者1900人」
実際にはコロナ以外で5000人が手術・抗がん治療受けられず死亡

 ソウル市恩平区に住むイさん(77)は今月12日午前0時ごろ、自宅で胸に痛みを感じた。イさんは妻が呼んだ救急車で新村セブランス病院に向かった。しかし、病院の救急室は患者でいっぱいで、これ以上受け入れることができない状態だった。そこで再び救急車に乗って中央大病院に向かった。救急室には受け入れる余裕があったが、今度は手術室がいっぱいだった。イさんは再び救急車に乗り、漢陽大病院に向かった。今度は救急室、手術室とも余裕があった。しかしイさんは手術室に向かう途中、エレベーターの扉の前で力尽きて倒れた。そして永遠に目を開けることはなかった。深夜3時30分のことだった。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って死亡者が急増する中、コロナに感染していない人でも、イさんのように間接的に被害を受けて亡くなるケースが非常に多いことが分かった。韓国国内で現在の感染拡大が始まった昨年12月の1か月間で、総死亡者数は例年の12月に比べ5000人以上多かった。これは公式に集計された12月のコロナ死者数約1900人の2倍以上だ。専門家らはこれを「超過死亡」と呼ぶ。直接的な死亡原因はコロナではないものの、医療スタッフの不足などコロナの影響を受けて死亡した人という意味だ。

 今回のコロナの大流行は、昨年11月ごろから始まった。例年なら一日の死亡者数は十人台だが、コロナの流行で死亡者が急増し、12月22日には109人に達した。その後、死亡者数は1月にはやや減少したものの、再び急増し、今月16日には人口1億人未満の国の中で1位となった。

 韓国統計庁の21日の発表では、昨年12月の韓国の総死亡者数は3万1634人だった。2020年以前の5年平均(2万6464人)に比べ、5170人も多く亡くなったのだ。

 12月の死亡者数は2016年の2万5324人から2万6883人→2万6523人→2万6722人→2万6866人(2020人)と5年間ほぼ横ばいだったが、昨年12月は例年より20%も増加した。

 専門家らは、このような死亡者数の急増について、コロナの影響だと分析した。高麗大感染内科のキム・ウジュ教授は「例年より増えた死亡者数は『超過死亡』という概念で捉えればよい」として「要するに、コロナがなければ死亡しなかった人の数」と説明した。キム教授は「公式に集計されるコロナの死亡者数は、コロナと診断されて死亡した人の数だけだが、実際に医療の現場では、コロナに感染していても検査で確定診断を受ける前に亡くなるケースがある上、コロナによる医療ひっ迫で手術や抗がん治療が受けられずに亡くなるケースも多い」として「そのような死者の数を全て合わせたものが超過死亡」と説明した。

チャン・サンジン記者

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