エレベーターのない3階に事前投票所設置…「カゴ投票」選管、移動弱者への配慮もずさん

行きにくい投票所233カ所…選管は「臨時記票所設置」

 先月9日の大統領選挙で、「移動弱者のための便宜設備・施設を整備しなければならない」という公職選挙管理規則に違反した事前投票所が233カ所に達していたことが今月8日、確認された。野党「国民の力」では「『カゴ投票』だけでなく、中央選挙管理委員会の総体的なずさんさが明らかになった」と指摘している。選管はこれより前、大統領選挙事前投票所のずさん管理に対する監査院監査を拒否している。

 選管が国民の力の趙修真(チョ・スジン)議員に提出した「3・9大統領選挙事前投票所運用現況」を見ると、全国の事前投票所3567カ所のうち、1階ではない場所に設けられた投票所は1768カ所(49.6%)に達したという。全事前投票所のうち約半数が2階以上または地下のように移動が容易でない場所に設置されたということだ。

 このうちエレベーターが設置されておらず、高齢者・障害者・妊婦など移動弱者の投票権行使に支障を来す事前投票所は233カ所だった。ソウル市陽川区の場合、木1洞、新亭2洞、新亭7洞の住民センターはエレベーターがないのにもかかわらず、事前投票所が3階に設けられた。

 公職選挙管理規則では「高齢者・障害者・妊婦など移動弱者の投票所接近に便宜を図るため、1階またはエレベーターなどの便宜施設がある場所に設置しなければならない」と規定されている。事前投票所233カ所はこのような規則に違反している。

 ただし、公職選挙管理規則には、「(移動弱者に配慮する)適切な場所がない場合は、投票所の入口に移動弱者を補助する投票事務員を配置したり、臨時記票所を設置したりするなどの必要な措置を取らなければならない」と明記されている。

 だが、先月5日の大統領選挙事前投票では「カゴ投票」のような混乱が発生し、移動弱者に対して適切な措置が取られなかったと指摘されている。これについて、選管側は「事前投票所233カ所すべてに臨時記票所が設置された。1階に臨時記票所がなくても、移動弱者が要求すれば投票事務員らが移動を手伝った」と説明した。

 趙修真議員は「事前投票当日、特定の時間帯に有権者が集まるため、エレベーターがあっても有権者が利用できなかった所が多かった」「今年6月1日の全国同時地方選挙では選管が原則通り1階に事前投票所を設置しなければならない」と述べた。

キム・ヒョンウォン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲先月7日午後、「公明選挙実践市民運動協議会」などの市民団体がソウル市鍾路区の東和免税店前で、中央選挙管理委員会を糾弾する記者会見を開いた。先月5日に実施された新型コロナウイルス感染者・隔離者の事前投票で、投票用紙がカゴなどに保管され、「ずさんだ」と指摘される事例が多数発生し、有権者らからの抗議が殺到した。写真=パク・サンフン記者

right

あわせて読みたい