野球:20歳佐々木朗希が最年少で完全試合…28年ぶりの大記録

 日本プロ野球界に新たな怪物投手が登場し、今季3回目の登板で完全試合という大記録を打ち立てた。歴史に新たな1ページを刻んだのは佐々木朗希(20)=千葉ロッテマリーンズ)。佐々木は10日、ZOZOマリンスタジアム(千葉県千葉市)で行われたオリックス・バファローズ とのホームゲームに先発登板して9イニングで19奪三振を記録、走者を1人も1塁に出さず、完全試合の過去最年少投手(20歳5カ月)を打ち立てた。特に1回2死から打者13人連続で三振を奪い、「13打者連続奪三振」という米大リーグにもない記録を作った。7回表の先頭打者に四球を許しそうになった以外は完全試合達成にあたってほとんどピンチがなかった。日本プロ野球における完全試合は通算16回目で、佐々木の記録は1994年の槙原寛己=読売ジャイアンツ=以来28年ぶりだ。

 佐々木も大谷翔平(27)=ロサンゼルス・エンゼルス=同様、「漫画のような野球」をする。身長192センチメートル、体重92キログラムという体格に、整った顔立ち。球速は大リーグのトップクラスの投手に匹敵する。この日もオリックスの打者たちを相手に最高球速が時速164キロメートルのファストボールと150キロメートル近いフォークボールを投げ、あっという間に凍り付かせた。佐々木がオリックスの27人目の打者を空振り三振に仕留めた時、投球数はわずか105球だった。千葉ロッテは6-0で勝ち、今季2勝目を完ぺきな勝利で挙げた。韓国プロ野球でも今月2日の開幕戦でSSGランダースのウィルメル・フォント(ウィルマー・フォント)がパーフェクトな投球をしたが、打線が沈黙して勝利投手になれず、完全試合達成はならなかった。

 今年のプロ入り3年目で2001年生まれの佐々木は大記録を立てても平然とした様子で笑っていた。観客席とダグアウトでは人々が泣いたり笑ったりして大騒ぎしているのに、佐々木は「最後まで(捕手の)松川(虎生、18)を信じて投げました。次回もいいピッチングができるように引き続き頑張ります」という短く感想を述べた。淡々とした表情には理由がある。佐々木は「野球の勝敗は災害の前では何事でもない」ということを知っている。佐々木の故郷は岩手県陸前高田市で、2011年の東日本巨大地震の時、最も大きな被害を受けた地域の一つだ。当時9歳だった佐々木は、野球を教えてくれた父親と祖父母を津波で亡くし、自宅も流された。母親と近隣の大船渡市に引っ越して野球を続けたが、津波が残した傷は佐々木が怪物に生まれ変わる原動力になった。

 佐々木は中学校の時から時速140キロメートル以上のボールを投げるということで名が知られており、日本全国の野球名門校からラブコールを受けた。しかし、中学校の友達と一緒に地元の高校(大船渡高校)に進学した。高校3年生の時は時速163キロメートルの球を投げ、大谷の高校記録(160キロメートル)を更新した。ドラフトで佐々木を獲得した千葉ロッテは、入団1年目の2020年は登板させず、トレーニングだけをさせた。昨年も体作りに集中し、約十日間の登板間隔を守ってくれた。「佐々木はF1マシンのような出力を出すことができるが、それにふさわしい車体がなければ役に立たない」というのが球団の考えだった。千葉ロッテは準備が整ったと判断した今年、佐々木を通常の先発ローテーションに入れた。佐々木は今季3回目の登板で完全試合を達成し、その期待に応えた。

ヤン・ジヘ記者

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