「忘れられた人として過ごしたい」と語っていた文大統領、バイデン大統領との会談を推進

青瓦台「米国側から要請があった」「22日に会談予定」

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は就任後の来月20-22日に来韓する米国のバイデン大統領との首脳会談が予定されているが、その際に文在寅(ムン・ジェイン)大統領も退任した前大統領としてバイデン大統領と会談する方向で調整が行われている。

 青瓦台(韓国大統領府)の関係者は28日「文大統領とバイデン大統領は相互信頼の次元から具体的な会談日程について調整中」と明らかにした。韓国政府も「この会談は米国側の要請を受けて調整が進んでいる」と説明した。尹次期大統領とバイデン大統領の首脳会談が行われた後の22日に会談が実現する可能性が高い。

 文大統領とバイデン大統領は任期が重なった約1年間、首脳会談をはじめ複数の会議など外交の場で顔を合わせてきた。両首脳は昨年5月にワシントンで開催された韓米首脳会談の際、「2018年の板門店宣言やシンガポール共同声明など、これまでの南北間・朝米間の約束に基づく対話が韓半島の完全な非核化に絶対に必要との信念を再確認した」などと表明してきた。今回も会談が実現すれば、韓半島平和プロセスをめぐる意見交換が行われそうだ。

 文大統領とバイデン大統領の会談について政界などからは「退任した大統領が米国の大統領に会うのは非常に異例」との見方が相次いでいる。文大統領は退任を前に「忘れられた人として過ごしたい」「自然に帰り自由な生活を送る」などと語ってきた。尹次期大統領側は「バイデン大統領が文大統領と個別にあいさつするため調整している」と説明しており、青瓦台は「新政府発足直後から韓米関係が持続的により強化されるきっかけになるだろう」とコメントした。

 ある与党関係者は「米国からの会談の打診に青瓦台は快く応じたが、これは要するに北朝鮮問題があるからだろう」「文大統領が北朝鮮との関係をうまく解決できなかったことは非常に残念に感じてきたが、この会談は良い機会と考えたはずだ」などの見方を示した。文大統領は先日の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との親書のやり取りについても「南北対話が希望したところに到達できなかったことへの残念な思いを伝える一方、対話によって対決の時代を乗り越え、朝米間の対話も早期に再開されることを希望した」と説明した。

キム・アジン記者

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  • ▲2021年10月30日(現地時間)にイタリア・ローマのヌボラ・コンベンションセンターで主要20カ国(G20)首脳会議が開催され、その記念撮影前に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は首脳ラウンジで米国のバイデン大統領と言葉を交わした。/青瓦台

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