北のスパイ韓国陸軍現役大尉は「対北斬首作戦部隊」所属だった

北に作戦機密を渡した可能性も

北のスパイ韓国陸軍現役大尉は「対北斬首作戦部隊」所属だった

 北朝鮮工作員から暗号資産を受け取り、北朝鮮の指令に基づいて韓国軍の戦場ネットワークのハッキングを試みた容疑で身柄を拘束されたA陸軍大尉(29)は、北朝鮮指導部の除去のため5年前に創設された特殊任務旅団(特任旅団)所属であることが29日に確認された。同部隊は、A大尉が特任旅団の任務や関連する軍事機密を北に渡した可能性について調べているという。

 韓国軍関係者などによると、A大尉は韓国中部の特任旅団所属だという。先にA大尉は、北朝鮮工作員からビットコインなど4800万ウォン(現在のレートで約495万円)相当の暗号資産の提供を受け、「国防網陸軍ホームページ画面」「KJCCS(韓国軍合同指揮統制システム)実行およびログイン画面」などの軍事機密や資料などを伝えていたことが発覚し、28日に身柄拘束の上で起訴された。

【図】北朝鮮工作員による韓国軍戦場ネットワークのハッキングの試み

 2017年に創設された特任旅団はおよそ1000人規模で、従来の特殊戦司令部隷下の既設1個旅団に人員と装備を増強して改編する形で設立された。有事の際には、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長をはじめとする北朝鮮指導部の除去任務を遂行する。北朝鮮は当時、特任旅団について「特別に訓練され、準備された特攻隊の一群であろうとも、わが革命の首脳部の近くまでやって来る前に1人残らず消滅するだろう」と、神経質な反応を見せていた。

 北朝鮮工作員がA大尉の所属部隊を知った上でアプローチしたのかどうかは、まだはっきりしていない。韓国軍では、戦時の北朝鮮最高指導部を相手とした軍事機密をA大尉が渡した可能性も排除していない。このため一部の秘密事項の修正作業と共に、当該部隊の作戦遂行に及ぶ影響を評価し、後続措置を取る予定だ。韓国軍はこの日、秘密を取り扱う部隊に緊急保安点検を指示する一方、再発防止対策の樹立も進めているという。

キム・スンヒョン記者

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