砲塔はまるでびっくり箱…ロシア戦車に弱点があった

【グラフィックニュース】ロシアの戦車に設計上の欠陥
機動性重視、弾薬庫に防弾板なし…軍事メディア「ロシアは戦車500両喪失」

砲塔はまるでびっくり箱…ロシア戦車に弱点があった

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は1日(現地時間)、ソーシャルメディア(会員制交流サイト)に載せた動画を通して「ウクライナ軍は1000両を超えるロシアの戦車と2500両の装甲車を破壊した」とし、「今月9日にモスクワで開かれる(ロシアの)戦勝記念行事に動員する軍事装備を縮小せねばならない状況にある」と明かした。軍事情報サイト「Olyx」は、先月28日現在で少なくとも300両のロシア軍戦車が破壊され、279両が放棄されたり鹵獲(ろかく)されたりした、と分析した。

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 こうした大きな損失を巡り、ロシアの戦車が設計上致命的な欠陥を抱えているからだとする分析がなされている。ワシントンポスト(WP)紙は1日、「ロシアの戦車の砲塔はまるでびっくり箱(jack-in-the-box)のようだ」と伝えた。びっくり箱とは、箱のふたを開けると中身が飛び出して人を驚かすおもちゃのこと。実際、ツイッター上には、マリウポリでロシアの戦車の砲塔が攻撃を受け、爆発してマンションの5階にまで吹き飛ばされる動画もある。

■ロシアの戦車、なぜ大きく破壊されるのか

 米国陸軍戦争大学のロバート・ハミルトン教授は、WPのインタビューで「ロシア軍の主力戦車の大部分は基本的に乗員の安全よりも射撃の速度や機動性に焦点を合わせて設計された」と分析した。荒地を高速で走破するため、米国やドイツの戦車に比べ車体が軽くて装甲が薄く、砲塔は低い。特に、素早い砲撃のため、乗員の足元に弾薬を供給する自動装てん装置を取り付けているという。

 問題は、戦車の車内空間が狭いため、防弾板で囲まれた別個の弾薬庫がなく、砲塔の近くに多数の予備弾を一緒に保管していることだ。ハミルトン教授は「側面や後方に攻撃を受けると、最大40発積んである弾薬が連鎖爆発を起こし、弾薬の上にいる乗員は全員死亡する可能性が高い」と語った。こうした問題は1991年の湾岸戦争でも持ち上がった。当時、イラク軍の主力戦車だったロシア製のT72は破壊されるたびに大きな爆発を起こし、砲塔が高々と吹き飛ぶ様子が目撃されていた。

 このほか、ロシア軍の装甲車が中国産の「偽物」タイヤを履いているという疑惑も浮上した。英国紙「デーリーメール」は1日、「品質が劣る中国産タイヤを履いたロシアの装甲車が、ぬかるみなど荒地からきちんと抜け出すことができず、進軍が滞った可能性がある」と伝えた。報道によると、北大西洋条約機構(NATO)軍はミシュランのXZLタイヤを装甲車に用いているが、ロシア軍はこれを模倣した中国産の「黄海YS20」を使っている。ミシュランXZLの価格は1セット3万6000ドル(現在のレートで約469万円。以下同じ)にもなるが、黄海YS20は208ドル(約2万7100円)にすぎないといわれている。

チャン・ミンソク記者

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